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資産が1,000万円に到達して運用を始めようと考えている方のなかには、「貯金に比べてどれくらい増えるのか」「どのような方法がいいのか」という疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。1,000万円を貯金するのではなく、運用することで効率的に資産を増やせる可能性があります。
本記事では、1,000万円の運用シミュレーションやおすすめの運用方法を紹介します。運用するときのポイントも解説するので、これから資産運用を始める方はぜひ参考にしてください。
1,000万円の資産がある人に運用をおすすめする理由

1,000万円を運用すると、資産が増えたり、インフレ対策ができたりするメリットがあります。ここでは、1,000万円の資産がある人に運用をおすすめする理由を紹介します。
銀行預金より資産を増やしやすい
しばらく使う予定がないお金を運用すれば、効率的に資産を増やせる可能性があります。銀行の普通預金の平均年利は0.1%程度のため、銀行にお金を預けていてもなかなか資産を増やせません(執筆時点)。一方で投資信託は、運用成果に応じて分配金や値上がり益が得られるため資産を増やせる可能性が高まります。
インフレ対策になる可能性がある
資産運用をすれば、インフレ対策につながる可能性があります。インフレとは、モノやサービスの値段が上昇することです。インフレが起きると、同じ商品を購入する場合でもより多くのお金を支払わなければなりません。貯金をしているだけでは、インフレによってお金の価値が目減りしてしまいます。不動産や株式といったインフレに強い金融商品への投資を検討しましょう。
1,000万円の運用シミュレーション

1,000万円を利回り別に複利運用をシミュレーションした結果が以下のとおりです。
5年 | 10年 | 20年 | 30年 | |
年利3% | 約1,159万円 | 約1,344万円 | 約1,806万円 | 約2,427万円 |
年利5% | 約1,276万円 | 約1,629万円 | 約2,653万円 | 約4,322万円 |
年利7% | 約1,403万円 | 約1,967万円 | 約3,870万円 | 約7,612万円 |
1,000万円を運用することで、5年後や10年後の資産を増やせる可能性があります。目標金額を設定して資産運用を行えば、ライフイベントに必要な資金を準備することも可能です。ただし、運用成果は保証されるものではなく、商品によっては元本割れのリスクもありますので注意が必要です。 一般に、運用期間が長いほど資産が増えやすくなるため、早めに資産運用を始めることが大切です。
1,000万円の運用方法|おすすめ7選

1,000万円を運用する際におすすめの方法は、以下の7つです。
運用方法 | 特徴 | 年間利回り | 始め方 |
定期預金 | 元本保証 | 0.1~0.3% | 銀行口座に預入 |
個人向け国債/地方債 | 国や地方自治体が元本と利子を保証個人向け国債「固定金利型3年または5年、変動金利型10年」の3種類 | 0.05~1.35% | 銀行や証券会社で購入 |
社債 | 企業が不定期に募集信用度の高い企業が発行する社債であれば低リスク | 1~3% ※商品により異なる | 証券会社で購入 |
保険 | 個人年金、養老保険、学資保険などの貯蓄型保険 | 商品により異なる | 保険会社で加入 |
不動産小口化商品 | 不動産を小口化して販売する相続・贈与の取り組みとして活用できる商品もある | 2~7% ※物件により異なる | 販売事業者から購入 |
投資信託 | 国内外の株式や債券で運用する運用は専門家に任せられる | 商品や経済状況で異なる | 証券会社や銀行で購入 |
REIT(不動産投資信託) | 証券取引所を通じて売買する不動産投資信託実際の不動産は保有しない | 3~9% | 証券会社で購入 |
運用方法によってリスクや想定利回りが異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
定期預金
銀行の定期預金は、元本保証がある金融商品です。銀行口座を開設するだけで気軽に始められますが、年間利回りは0.1~0.3%と低い傾向にあり、効率よくお金を増やすのは難しいです。
また、1,000万円を超える資産を定期預金に預ける際は「ペイオフ」に注意しましょう。ペイオフとは、金融機関が破綻した際に預金保険機構が預金者に一定額を払い戻す制度を指し、定期預金は一人1,000万円までしか保護されません。
金融機関が破綻しても全財産を失わないよう、複数の金融機関に分散預金をしたり、資金の一部を投資に回したりしましょう。
個人向け国債/地方債
国債とは国が発行する債券のことをいい、県や市などの地方自治体が発行する債券を「地方債」と呼びます。国債と地方債は、国や地方自治体が元本・利子を保証するため、低リスクの金融商品といえるでしょう。個人向け国債と地方債は、銀行や証券会社で購入できます。
個人向け国債には固定金利型3年または5年、変動金利型10年の3種類があります。いずれも最低金利「0.05%」が保証されており、リスクを抑えて運用したい人におすすめです(執筆時点)。
社債
社債とは、企業が資金調達を目的として発行する債券のことです。企業が倒産しない限り元本や利子が戻ってくるため、信用度の高い企業の社債であれば比較的リスクは低いといえます。年利は商品によって異なり、「1~3%」が一般的です。社債はいつでも購入できるものではなく、発行元企業が不定期に募集します。申し込む際は、証券会社で購入することになります。
保険
個人年金や養老保険、学資保険といった貯蓄型保険での資産運用も可能です。貯蓄型保険とは、満期までの積み立てによって払込保険料と同等、またはそれ以上の保険金が戻ってくる保険のことをいいます。貯蓄型保険を中途解約すると、解約払戻金が払込保険料を下回ることがあるため注意しましょう。
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは、不動産を数十万円から数百万円単位に小口化し、販売する金融商品のことです。建物や土地といった現物不動産に投資するときは、まとまった資金が必要となりますが、不動産小口化商品であれば少額から始められます。不動産小口化商品の利回りは、投資対象となる不動産によって異なり、2~7%が一般的です。
任意組合(現物出資)型の不動産小口化商品は、現物不動産と同等の扱いとなるため、相続の取り組みにも活用できます。今後の相続に備えておきたい方は、不動産小口化商品の活用も検討してみましょう。
弊社の不動産小口化商品「Vシェア」は、個人で購入しにくい都心の中規模オフィスビルを中心に取り扱っています。賃貸収入が得られ、将来的な値上がりの可能性がある不動産物件を1口100万円単位で5口以上から購入できます。「Vシェア」について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
≫不動産小口化商品「Vシェア」とは
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投資信託
投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を専門家が運用し、その損益を分配する金融商品です。資産運用をプロに任せられるので、あまり投資知識がない方にもおすすめの運用方法です。主に国内外の株式や債券で運用され、決算期ごとの分配金の他、値上がり益を得られる可能性もあります。
投資信託で運用する際は、「購入手数料」や「信託報酬」といった運用コストがかかります。投資信託を購入するときは利回りだけでなく、どれほどの運用コストがかかるのかを確認しておきましょう。
REIT(不動産投資信託:Real Estate Investment Trust)
REITとは、不動産投資法人が投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃料や売却益を分配する商品のことです。日本ではJ-REITと呼ばれており、証券会社で購入できます。
REITの利回りは「3~9%」が一般的とされています。
証券取引所に上場しているREITは、投資家のタイミングで自由に売買できるため、現金化しやすい点がメリットです。なお、REITを売買する際は、証券会社ごとに定められた売買手数料を支払う必要があります。
1,000万円を運用するときのポイント

ここからは、1,000万円を運用するときのポイントを紹介します。資産運用のリスクを抑えるためにも、運用時のポイントを押さえておきましょう。
運用目的を明確にする
まずは資産運用を行う目的を明確にしましょう。運用目的によって目標金額や適切な運用方法が異なります。
たとえば、結婚や出産、マイホーム購入などの大きな出費が予想される世帯は、ライフイベントに必要な金額を目標にするのがよいでしょう。子育てがひと段落した世帯は、老後資金の準備を目的として目標金額を決めてみてください。
生活防衛資金を確保しておく
資産運用するときは、6カ月から1年分の生活防衛資金を確保するようにしましょう。生活資金まで運用すると、損失を受けたときに日常生活に影響を与えてしまいます。そのような状況にならないためにも、しばらく使う予定がない余剰資金で資産運用をすることが大切です。
今後10年以内に使う予定があるお金は、定期貯金や個人向け国債といった元本保証のある運用方法を選ぶほうがよいでしょう。
ハイリターンを狙わない
資産運用をするときは、ハイリターンの商品を避けることが大切です。大きなリターンを期待できる運用商品の多くは、大きな損失を被るリスクがあります。資産運用では、短期間で資産を増やすのではなく、リスクを抑えながら時間をかけて資産を増やすスタイルを目指しましょう。
長期分散投資をする
長期分散投資とは、複数の投資先に分散して投資し、長い期間をかけて運用することです。長期分散投資には、安定した利回りが期待できるだけでなく、リスクを軽減する効果も見込めます。
複数の金融商品へ投資する分散投資は、短期的に大きな利益を得られるわけではありません。しかし、長期運用することで損失のリスクを軽減できたり、売買手数料や税金などの運用コストを抑えられたりするメリットがあります。元本割れリスクを軽減して安定的に資産を増やすためにも、長期分散投資を意識しましょう。
非課税制度を利用する
資産運用をする際は、NISAやiDeCoといった非課税制度を利用することで税金を抑えられます。
NISAとは、投資で得られた利益が非課税になる制度のことです。NISA口座で運用した資産はいつでも現金化できるため、老後までに使う予定がある資金を運用するのに適しています。
iDeCoは、毎月の掛金を自分で積み立てて運用し、老後に受け取る私的年金制度です。iDeCoには、掛金が所得控除の対象となったり、受取時に税控除が受けられたりするメリットがあります。ただし、原則60歳以降まで資産を引き出せないため、老後までに必要となる資金を運用するのには向いていないでしょう。
最後に
資産が1,000万円に到達したときは、そのお金を運用することで効率よく増やせたり、インフレ対策ができたりします。運用方法には、定期預金や不動産小口化商品、投資信託といった特徴の異なる方法があります。運用方法を選ぶときは、自身の運用目的にあったものを選びましょう。
不動産小口化商品では、まとまった資金が必要となる不動産投資を少額から始められます。なかでも、弊社の不動産小口化商品「Vシェア」は、都心のプライムエリアにあるオフィスビルなどの個人では購入しにくい物件に500万円(1口100万円単位・5口以上)から投資できます。「Vシェア」について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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- 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。

監修者
村井 英一むらい えいいち
ファイナンシャル・プランナー(CFP、1級FP技能士、証券アナリスト、宅地建物取引士)
1965年生まれ。大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当する。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立後は、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、資産運用、住宅ローン、年金問題、ライフプランニングなどを得意分野とする。
家計の診断・相談室(https://kakeinoshindan.com/)
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