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本記事に掲載された情報は、2021/09/24時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
孫に遺産を相続させたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、孫の遺産相続はトラブルに発展してしまうケースもあり、注意しておかなければならない点もあります。
そこでこの記事では、孫に遺産相続させる方法やトラブルを避けるためのポイントを解説していきます。
1. 孫は遺産相続できる?孫の相続権について
遺産相続は、配偶者や子供、親などの法定相続人に対して行われるものです。
民法によって法定相続人の範囲と順位が定められていて、まず必ず相続人となるのが「配偶者」(但し、離婚している場合を除く)で、配偶者以外の親族で法定相続人となる順位については、以下のような優先順位が定められています。
第一順位 | 「子」 「子」が亡くなっている場合:「孫」 「子」も「孫」も亡くなっている場合で「ひ孫」がいる場合:「ひ孫」 |
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第二順位 | 「父母」 「父母」が亡くなっている場合:「祖父母」 「父母」も「祖父母」も亡くなっており「曾祖父母」がいる場合:「曾祖父母」 |
第三順位 | 「兄弟・姉妹」 「兄弟・姉妹」が亡くなっている場合:「甥姪」 |
この順位を見ると分かるように、孫は法定相続人ではありません。
つまり、被相続人の子が亡くなっている場合などの限られたケースを除くと、「孫に遺産相続させたい」という祖父母の意志がなければ、孫は祖父母の遺産を相続する権利を持たないということです。
2. 孫が遺産を相続する方法と相続割合、かかる税金
「原則として孫に相続権はない」ということをご説明させていただきましたが、孫が遺産相続する方法ももちろんあります。
続いては、祖父母から孫が遺産を相続する方法について、孫の相続割合や税金をはじめ、メリットやリスクを解説していきます。
2-1. 遺言書に意志を残す
孫に遺産を相続させる方法として、最も一般的に用いられるのが、遺言書を残すという方法です。遺言書によって法定相続人以外に財産を残すことを「遺贈」といいます。
遺贈によって孫に財産を残す場合、いくらの財産を残すのかは祖父母が自由に決めることができます。
ただし、一部の法定相続人には「遺留分」という遺産取得分があり、一定割合の財産は必ず相続できると保障されています。孫に遺贈する財産が法定相続人の遺留分を侵害してしまった場合、本来受け取るべき財産分の金銭を請求される遺留分侵害額請求が行われるなど、トラブルに発展する場合もあるため、注意が必要です。
また、遺贈によって孫が遺産を相続した場合、相続税は2割加算の対象となるため、相続する財産の額によっては相続税が高額になるというデメリットもあります。
メリット |
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注意点 |
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必要な手続き | 遺言書を残す |
2-2. 養子縁組をする
孫を法定相続人にして遺産相続させる方法としては、養子縁組があります。
孫と養子縁組を行うことで、孫は子供と同じ第一順位の相続権を持つことになり、遺言書に意志を残さなくても法定相続分が認められます。
また、遺産相続によって発生する相続税は、法定相続人の人数が増えるほど基礎控除額も増えます。例えば、孫と養子縁組を行うと法定相続人の人数が増えることになります。
ただし、法定相続人の人数に含めてよい養子(特別養子を除く)の人数には制限があり、相続人に実子がいない場合は2人まで、実子がいる場合は1人までしか法定相続人にはなれません。また、養子縁組した孫が相続した財産に課せられる相続税は2割加算の対象となります。
メリット |
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注意点 |
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必要な手続き | 養子縁組の手続き |
2-3. 代襲相続となる場合も
孫が遺産を相続するケースとしては、代襲相続も考えられます。
代襲相続とは、祖父母の子供(孫の親)がすでに亡くなっている場合に、子供が持つ相続権がそのまま孫に移り、孫が法定相続人なることをいいます。
この場合、代襲相続人となる孫は子供と同じ権利を持つため、相続税の2割加算の対象にはなりません。
また、代襲相続となるのは、祖父母の子供(孫の親)がすでに亡くなっている場合に限ります。相続放棄は代襲相続の要件とはならないため、子供が親からの遺産相続を放棄したからといって、孫が法定相続人になれるわけではありません。
なお、祖父母の子供(孫の親)が離婚している場合、どちらの親に親権があるかに関わらず、親が祖父母より先に亡くなっている場合は、孫が祖父母の代襲相続人となります。
メリット | 代襲相続人となる孫は法定相続人である子供と同じ権利を持つ |
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注意点 |
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必要な手続き | なし |
2-4. 遺産分割協議で合意を得る
孫に遺産を相続する方法としては、「孫に遺産相続させたい」という意志を事前に相続人に話をしておき、遺産分割協議で被相続人の意志として主張してもらい、全員の合意を得るという方法もあります。
遺産分割協議で相続人全員の同意が得られれば、孫の遺産相続も可能です。
ただし、遺産分割協議が行われるのは被相続人が亡くなった後です。自分たちの意志どおりに遺産分割協議が行われるとは限らない点は注意が必要です。
メリット | 相続人全員の同意が得られれば孫の遺産相続が可能 |
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注意点 |
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必要な手続き | なし |
3. 孫に財産を渡せる遺産相続以外の方法
孫に財産を残す方法としては、遺産相続以外にも次のような方法があります。
3-1. 暦年贈与をする
暦年贈与はポピュラーな生前贈与の方法です。自分が生きているうちに財産を贈与することで、孫に対して確実に財産を渡すことができます。
ただし、生前贈与の場合、相続税はかかりませんが贈与税がかかる点に注意が必要です。
そのため、孫に財産を譲る場合は「暦年贈与」を活用し、1年間に基礎控除額である110万円以下の贈与を行うことで、非課税枠内での相続へのお取り組みをすることもできます。
3-2. 生前贈与の特例を利用して贈与する
孫に財産を譲る方法としては、贈与税の非課税特例を利用した生前贈与もあります。
教育資金として一括贈与する
祖父母から孫への生前贈与では、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度を活用できます。適用条件や非課税枠、必要な手続きの方法などは以下のとおりです。
適用条件 ※ 概要のみ抜粋 |
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非課税枠 |
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メリット |
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デメリット |
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注意点 |
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必要な手続き |
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住宅取得等資金として贈与する
祖父母から孫に対して住宅取得にかかる資金を生前贈与する場合にも、一定の要件を満たすことで、贈与税が非課税となる特例を活用できます。適用条件や非課税枠、必要な手続きの方法などは以下のとおりです。
適用条件 ※ 概要のみ抜粋 |
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非課税枠 |
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メリット |
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デメリット |
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注意点 |
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必要な手続き |
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結婚・子育て費用を贈与する
祖父母から孫に対する生前贈与では、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度も活用することができます。適用条件や非課税枠、必要な手続きの方法などは以下のとおりです。
適用条件 ※ 概要のみ抜粋 |
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---|---|
非課税枠 |
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メリット |
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デメリット |
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注意点 |
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必要な手続き |
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3-3. 生命保険の受取人を孫にする
祖父母が契約した生命保険の孫に財産を譲る方法としては、生命保険の受取人を孫にするという方法もあります。
祖父母から孫に対して暦年贈与の年間110万円以下で資金を渡し、孫はその資金で生命保険に加入しましょう。契約者と受取人を孫、被保険者を祖父母にすることで、祖父母が亡くなったときの死亡保険金は、確実に孫が受け取ることができます。
4. 孫に遺産を相続させる場合の注意点
孫に遺産を相続させる場合の注意点としては、前述した「相続税の2割加算」があげられます。孫は相続税の2割加算の対象になる場合があるため、孫が相続する財産の額によっては、多額の相続税が課せられる可能性があるでしょう。
また、遺贈によって孫に財産を残す場合には、遺留分侵害額請求に注意しましょう。遺留分侵害額請求が大きな親族トラブルに発展する可能性もあるため、孫に残す財産の額を決めるときは、ほかの法定相続人の遺留分を侵害していないかどうかの確認と、トラブルが起きないような配慮が必要です。
5. 最後に
今回は孫に遺産相続する方法や注意点について紹介してきました。
法定相続人ではない孫に遺産を相続する場合、注意しなければトラブルに発展するケースもあります。できるだけトラブルを避けて孫に財産を残すためには、暦年贈与や非課税特例、生命保険などを活用した生前贈与による相続へのお取り組みを、早い段階から検討しておくことが大切です。生前贈与をすることで、孫に確実に財産を残すことができ、相続時のトラブルを回避できる可能性が高まります。
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