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越境学習とは?越境学習のメリットや具体的な手段を紹介

目次

2010年代から、ビジネスシーンでは「VUCA」という言葉が使われるようになりました。パンデミックや世界情勢の不安定化など、ビジネス環境の変化が激しく先が見通しにくい時代が続いています。

こうした変化の波を企業が乗り越えていくためには社員の能力開発や育成が必須であり、その有効な手段として「越境学習」が注目を浴びています。

越境学習という言葉は知っていても、具体的な導入方法やどのような効果を期待できるのかが分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、所属組織や企業の「垣根」を越えて、新しい学びを得る越境学習について取り上げます。越境学習が注目される背景やメリット、具体的な手段まで紹介します。 これまでの社員育成だけでは、変化の波を乗り越えられないという危機意識をお持ちの方は、ぜひご一読ください。


越境学習とは何か?

越境学習とは、所属する部署・企業を離れ、それまでと異なる外部環境で仕事を行うことによって、広い視野や新たな視点を得る社員育成手法です。

越境学習の最大の目的は、慣れ親しんだ環境からあえて離れ、異なるバックグラウンドを持つ人たちと働いたり、異なる文化・価値観に触れたりすることにより、多角的な視点を養う点にあります。

これまでの自分のものの見方や仕事スタイルを客観視することで、環境変化の波にしなやかに対応できる人材やリーダー候補を育成する、能力・スキルの最大化する、自社の強み・よい点を再認識してもらう、などの効果を期待できます。

なぜ越境学習を導入すべきなのか、背景と理由

越境学習が広がった背景には「VUCA時代」という大きな波が押し寄せた影響があります。ここでは日本企業で越境学習が注目されるようになった背景と導入すべき理由を解説します。

政府による後押し

越境学習という言葉が急速に広がった背景のひとつに、経済産業省が越境学習に着目している点があげられます。

経済産業省は、変化が激しいVUCAの時代に対応するためには、正解のない中で自ら課題を発見して事業を創造・変革し、ビジネスの進化・深化によってイノベーションを創出する「両利きの経営」を実現する必要があるとしています。

そのため経済産業省では、変化への対応力を高める人材育成手法として、越境学習を推奨しているのです。

たとえば2018年より経済産業省は「未来の教室」プロジェクトなどを立ち上げ、さまざまな業種の企業人が集まり、社会課題に触れる場を提供しています。 このような政府の動きを受けて、企業でも自社で越境学習を取り入れる動きが加速していきました。

参考:経済産業省「越境学習によるVUCA時代の企業人材育成」

市場のグローバル化

近年、急速に市場のグローバル化が進行しています。企業もまた、日本国内だけでなく国際市場に目を向け、多様な文化や価値観を持つ人々と協働しなければならない時代となっています。

社員が自ら視野を広げ、異なる文化や専門分野を理解する必要があり、企業はそうした人材を育成する手段として越境学習に注目しているのです。

急速なテクノロジーの進化

テクノロジーの進化は目覚ましく、AIやIoTなど新たな技術が誕生し、社会全体が大きく変貌を遂げようとしています。一方で、これら新技術の理解し活用するには、専門的な知識が必要です。

越境学習は、専門分野の知識を身につけ、多面的・複合的な課題解決をする人材を育成する有効な手段といえます。

ミドル人材・シニア人材の活性化

越境学習は、ミドル人材・シニア人材の活性化にも効果があるといわれています。

現在は少子高齢化の影響で若手人材の採用が難しくなり、社員の高齢化が進んでいる企業も増えています。このような状況で、ミドル人材・シニア人材の社員にさらなる活躍を促すことは企業として急務でしょう。

ただ、ミドル人材・シニア人材は過去の経験が豊富にある分、「これまでの自分の経験があれば十分に対応できるはずだ」「これ以上、成長は望まない」という人も少なくありません。 そこで、越境学習により外部の世界に触れ刺激を受けることで、ミドル人材・シニア人材がさらなる成長に意欲を持つことが期待されているのです。

一人一人のキャリア自律の促進

キャリア自律とは「自身のキャリア構築を見据え、企業や組織に依存することなく主体的に仕事の意味や価値を見出し、時代や環境の変化にあわせてキャリア開発を行うこと」を指します。

現在の日本では右肩上がりの経済成長が期待できなくなり、社員の終身雇用を維持できない企業も増えてきています。

かつては、社内の人材育成は階層別研修に代表されるような、比較的ベーシックな教育を一律に施せばよかったかもしれません。

しかし経済成長が鈍化し、終身雇用が崩れて人材の流動化が起きる中で、従来型の階層別教育だけではキャリア自律になかなか寄与しにくい状況が生まれてきました。

そこで、社内の人材育成施策以外で社員のキャリア自律が促進できる取り組みとして、越境学習に注目されました。越境学習は、キャリア自律にも効果が期待できるでしょう。

越境学習のメリット

ここでは越境学習を取り入れた企業が実感した具体的なメリットを紹介します。

社員の自己理解や成長促進

他社人材との交流が生まれる越境学習は、社員の自己理解や成長に大きく寄与します。

人間は、異なる価値観や経験を持つ他者の視点を通じて、自己の強み・弱みを知るものです。自己理解を促す心理学モデルのひとつとして「ジョハリの窓(Johari Window)」があります。「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の情報を切りわけて分析することで、自己理解を行う方法です。

越境学習で新たな上司や同僚、部下と出会い、自身のことを知らない「他人」の目を通すことで、自己をより立体的に理解できます。

さらに、越境学習では得たものをなんらかの形でアウトプットすると成長効果が高まります。越境学習中は、自社での通常業務を免除されているケースが多いでしょう。そのため、単に学んで戻ってくるだけではなく、越境学習で得た成果をアウトプットし、業務や会社に貢献しなくてはなりません。アウトプットにより業務や会社に貢献し、周りからの好意的な反応を得られると、越境学習した社員も自らの成長をより実感できるようになるでしょう。

イノベーションの創出

越境学習で社員が新たな視点を獲得すると、これまでの社内の常識を覆し、イノベーションを創出しやすくなる点もメリットです。

社外のプロジェクトに参加した場合、社内でのルールや仕事のスタイルが、実は当たり前ではないことに気付くことができます。社員は外部の多様な発想や価値観に触れることで、刺激を受けるだけでなく、自社へのエンゲージメントを確認するきっかけにもなるでしょう。

企業としては、社員に新たな視点を自社へ持ち帰ってもらうことで、組織の風土改革や新規事業の創出を期待できます。

次世代リーダーの育成

次世代を切り拓く事業責任者や経営幹部に該当する「次世代リーダー」の育成に効果が高いことも、越境学習のメリットです。

今後リーダーのポジションを担わせたい人には、新規事業の立ち上げや大きなプロジェクトへの抜擢など、いくつかの「修羅場」の経験を積ませる必要があります。ただ、社内で積める経験やポジションは限られているため、有意義な育成の場を用意できないケースも多いでしょう。

次世代リーダー候補者を社外プロジェクトに参加させることで、社内では得られない貴重な経験を積ませることが可能です。 このようなリーダー候補者がさらにもう一伸びする経験は、越境学習ならではの利点といえるでしょう。

越境学習の主な手段

越境学習では、社員が社外で働くことになります。導入するにあたり、どのような手段があるのかを確認し、社員と会社にとって最適な選択をする必要があります。ここでは、越境学習の代表的な手段を5つ紹介します。

①在籍出向

代表的な手段のひとつめは、在籍出向です。

グループ企業への出向は一般的に行われていますが、似たような企業風土を持つ組織に出向しても、多様な価値観に触れるのは難しいという課題があります。加えて所属企業が変わると、いくつかの煩雑な手続きが発生するというデメリットもあります。

そこで注目されているのが在籍出向(または在籍型出向)という手段です。

なかには「会社間留学」という形で、出向元と出向先の企業ニーズをマッチングして在籍出向を実現するサービスも存在します。

在籍出向であれば、自社に籍を残したまま自社とはまったく異なる環境の他社で経験を積むことができます。

異なる環境に身をおいて刺激を受けられるうえに、受入企業からも歓迎されるため、効力感も得られやすいでしょう。

②プロボノ

プロボノとは、自分の専門分野や強みを生かして、地域・社会への貢献活動に取り組む活動です。ラテン語の「Pro bono publico(公共善のために)」が語源と言われています。

数日から数カ月かけて、地方自治体やNPOの一員となり、各種の支援業務を行うことが一般的です。具体的にプロボノでは、地域振興型プロジェクトの運営や、学校をはじめとした教育団体との交流イベントを企画・開催します。

プロボノ活動に参加することで、人の役に立つ喜びを知り、自己肯定感を高められるのが特徴です。

③異業種勉強会

異業種勉強会とは、異なる業界の人材が集まり、さまざまなテーマに沿ったワークショップや交流会を行うことをいいます。

たとえば、「SDGs」などのテーマに沿って討論する、新規ビジネスの企画をするなどが代表例です。経営者同士やマネジメント層同士など参加者層も勉強会によってさまざまです。 他社文化や考え方に触れることで固定観念をなくし、新たな視点を養えるのが異業種勉強会の魅力です。

また、多種多様な業界やバックボーンを持つ人たちが集まることで、自社で生かせる人脈を築けるメリットもあります。

④ワーケーション

ワーケーションとは、テレワークを活用し、勤務日と休暇をはさみながら、観光地やリゾート地で働くことをいいます。

たとえば、地元の支援をしながら業務を行ったり、地方過疎地の振興プロジェクトを支援したりと、内容はさまざまです。

普段とは違う場所で働くことで、新たな発想が生まれ、イノベーションにつながる可能性も高まります。 また、企業としてもワーケーションを導入することで、社員の有休取得を推進し、ストレス解消をはかれるメリットもあります。

⑤留学・海外研修

国をまたいだ留学・海外研修も、越境学習としてはメジャーな手法です。

留学という形式もありますが、次世代リーダー育成の目的で「海外視察」「海外研修」のような呼び方をするケースもあります。

海外研修は、外部の教育機関が主催している研修に、社員を参加させる手段も一般的です。 いずれにしても、言葉やビジネス習慣が異なる文化圏に身を置くことで、社員の視野が広がる効果を期待できるでしょう。

越境学習の効果を高めるポイント

企業主導で社員に越境学習を実施する際、効果を高めるために知っておきたいポイントを紹介します。

自発性を重視する

越境学習は企業から強制してしまうと、社員のモチベーションが低下するリスクがあるため、注意が必要です。

越境学習ではハードな経験も予想されるため「なぜ自分なのか」「なぜあえて厳しい経験をさせられるのか」と不満を覚えることもあるからです。

そのため、社員にはできる限り自発的に参加させることが大切になります。

社員自身が自分の仕事のやり方や成果、キャリアに課題意識を持ち、越境学習に対して魅力を感じていればいるほど、学ぶ意欲も高まります。 会社の制度や施策として越境学習を実施するなら、場合によっては社内公募制を採択して社員の自己推薦により対象者を選ぶのもおすすめです。

振り返り・内省の場を設ける

越境学習は、参加しただけで終わってしまうと、貴重な学びが業務に生かされない懸念があります。

そのため、越境学習が終了した社員には、別途振り返りや内省の場を設けることが重要です。

たとえば、上司や人事とのリフレクション面談を実施する、職場メンバー向けの勉強会や成果報告会を開催する、などの方法が考えられます。

「越境学習から何を学んだのか。今度、仕事にどう生かしていけそうか」を具体的に言語化することで、その後のアクション促進が期待できるでしょう。

まとめ

越境学習は、若手層から中高年層まで幅広い人材に対して、"働く意味や価値"を再認識させる効果が期待できる育成施策です。

この先のビジネスにおいては、ストレスやプレッシャーが増し、メンタルヘルスの課題が増える状況も予想されます。

越境学習をすることで、社員にレジリエンス(精神的回復力)が備われば、変化の波に果敢な挑戦ができる企業体質にも近づくのではないでしょうか。

越境学習を可能にする在籍型出向サービス「Vターンシップ」とは?

実際に、ボルテックスの提供する在籍型出向サービス「Vターンシップ」を利用し、 越境学習 を経験した社員からは、

・受け入れ先のポジションは部門を統括する立場で、今までより幅広い業務のマネジメントを経験し、出向しなければ得られなかった様々な気づきを得た

・出向先での仕事を通じて、自身の仕事に対する考え方が変わった

といった効果を実感する声があがっています。

出向者の実際の声はこちらをご覧ください。
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今後、越境学習を導入したいとお考えの方は、是非ボルテックスにご相談ください。

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