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投資を始めようと考えている方のなかには、「分散投資とはどのような投資方法なのか」「分散投資にはどのようなメリットがあるのか」といった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。分散投資には、値下がりによる資産価値の減少リスクを軽減する効果があります。大きな損失が発生するリスクを抑えるためにも、分散投資にどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。
本記事では、分散投資の考え方やメリット・デメリット、分散投資しやすい金融商品を紹介します。分散投資をするときのポイントも紹介しているので、これから投資を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
分散投資とは

分散投資とは、複数の投資先に分散して投資することです。投資先を分散することで、保有資産の値下がりによる資産減少のリスクを軽減する効果が見込めます。
たとえば、成長が期待できると判断したA社のみに投資していると、業績が悪化したときに大きな損失を受ける可能性が否めません。一方、A社以外にB社にも投資していた場合は、A社の業績が悪くなっても、B社の株価が上がればA社の損失をカバーできます。
分散投資には、以下の3つ方法があります。
- 資産の分散
- 地域の分散
- 時間の分散
それぞれ詳しく解説します。
資産の分散
資産の分散とは、株式、債券、不動産などの複数の金融商品に分散して保有する方法です。値動きが異なる金融商品を保有することで、価格変動リスクを抑えられる可能性があります。
主な金融商品の種類は、以下のとおりです。
金融商品の種類 | 概要 |
預金・保険商品 | 大きな利益は期待できないが、投資知識がなくても取り組める |
投資信託 | 資産運用のプロが複数の投資家から集めた資金を株式や債券などに投資し、投資額に応じて利益を分配する |
株式 | 企業が発行する株式を保有し、配当金や売却益を得る |
債券 | 国や地方公共団体、企業などが必要な資金を調達するために発行する有価証券を保有し、利子を受け取る |
不動産 | 所有物件を貸し出す、小口化商品やREITに投資するなどで利益を得る |
勢いのある企業であっても、不祥事や自然災害、不慮の事故などによって株価が暴落するリスクがあります。予期せぬ事態によって大きな損失を受けないためにも、投資先を分散するようにしましょう。
地域の分散
地域の分散とは、日本やアメリカ、イギリスなどその他複数地域に分散して投資する方法です。ほかにも、先進国や新興国といった成長性の異なる地域に投資する方法があります。
投資する地域を分散すれば、大規模災害や紛争が起きたときに大きな損失を受けるリスクを避けられます。
時間の分散
時間の分散とは、一度にまとめて投資せずに投資タイミングを分散する方法です。時間の分散の代表的な方法に「ドルコスト平均法」があります。ドルコスト平均法とは、値動きのある商品を毎月一定額ずつ購入する方法です。投資コストが低いときの購入口数が増え、高いときに減るので、取得単価を平準化します。ドルコスト平均法によって投資タイミングを分散し、毎月コツコツと資産を積み立てることで価格変動リスクを軽減する効果が期待できます。
分散投資のメリット

分散投資には、大きな損失が発生するリスクを軽減する、値動きに過敏になることなく投資ができるなどのメリットがあります。ここでは、分散投資のメリットを紹介します。
リスクを軽減できる
投資先を分散しておけば、ひとつの投資先で損失が出た場合にほかの投資先の利益でカバーできる可能性があります。投資先をひとつに絞っていると、値下がりによって大きな損失を抱えるリスクが高まります。想定外の損失を受けないためにも、資産や地域、時間への分散を意識するようにしましょう。
値動きに過敏にならなくてよい
分散投資をしておけば、値動きや売買のタイミングに過敏になることなく資産運用ができます。投資初心者は、値下がりしたときに焦って売却してしまうこともあるでしょう。そのような事態を避けるためには、毎月一定額ずつ購入するドルコスト平均法がおすすめです。複数銘柄をドルコスト平均法で購入すれば、ひとつの銘柄が値下がりしても大きな損失を抱える心配が少なくなります。
分散投資のデメリット

分散投資にはメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、分散投資のデメリットを紹介します。
大きなリターンを得るのが難しい
大きな損失が発生するリスクを軽減できる反面、得られる利益も少なくなるのが分散投資です。成長が期待できる1社の株式を大量に保有していれば、値上がりしたときに大きな利益を得られる可能性があります。しかし、分散投資では複数銘柄に投資を分散しているため、得られるリターンが少なくなる傾向があります。分散投資では短期間で大きな利益を得るのは難しいといえるでしょう。
管理が複雑になる
分散投資をすると、複数の投資先を管理しなければなりません。たとえば、株式だけでなく債券や不動産にも投資していると、それぞれの値動きや運用状況を把握する必要があります。投資先が増えて管理が複雑になると、管理不足によりリスクが高まる可能性があるため注意しましょう。
複数の投資先を管理する手間を軽減したい方は、あらかじめ複数の資産が組み合わされている投資信託やREITなどへの投資がおすすめです。
分散投資するときのポイント

分散投資によって資産を安定的に増やしていくためには、ポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、分散投資をするときのポイントを紹介します。
長期投資を意識する
分散投資をするときは、長期的な視点で取り組むことが大切です。分散投資は値下がりによって大きな損失が発生するリスクを抑えられる反面、短期間で大きな利益を得るのが難しい方法です。利益を大きくするためにも、短期間の値動きに一喜一憂することなく、長い期間をかけて資産を築いていくことを意識しましょう。
定期的にポートフォリオを見直す
ポートフォリオとは、金融資産の組み合わせのことです。ポートフォリオは、一度組んだら完成ではありません。価格変動によって当初決定した資産配分が変わってくることがあります。投資目標やリスク許容度に合った資産運用をするためには、資産配分の見直しを定期的におこなうなどリスク許容度の変化に合わせてポートフォリオを検討し直すことが大切です。
分散投資しやすい金融商品

投資初心者が株式や債券などの個別銘柄を選定して分散投資するのは難しいでしょう。ここでは、投資の知識が少ない方でも分散投資しやすい金融商品を紹介します。
投資信託
投資信託は、国内外の株式や債券などを組み合わせた金融商品です。投資信託を始める際は、新NISAやiDeCoの活用がおすすめです。
新NISAとは、NISA口座で資産運用して得た利益に税金がかからない制度のことです。通常、投資信託や株式に投資して得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用して得た利益は非課税となり、利益をそのまま受け取れます。
iDeCoとは、老後資金を自身で積み立てる年金制度のことです。掛金が全額所得控除となったり、運用益に税金がかからなかったりする特長があります。iDeCoで積み立てたお金は、原則60歳以降に年金や一時金として受け取れます。
不動産の小口投資
不動産の小口投資は、1口1万円から1,000万円程度に小口化された不動産に投資できる商品のことをいいます。不動産の小口投資には、以下の4種類があります。
不動産の小口投資の種類 | 概要 | 1口あたりの相場 |
REIT(不動産投資信託) | 現物不動産ではなく不動産投資会社が発行する有価証券に投資して分配金を得る | 1万円前後 |
不動産小口化商品 | 事業者が複数の投資家から資金を集めて不動産を購入し、家賃収入を出資者に分配する | 数万円から1,000万円 |
融資型クラウドファンディング | クラウドファンディングサービスを通じて興味のあるファンドに出資し、利子を受け取る | 1万円から3万円程度 |
投資型クラウドファンディング | 事業者が複数の投資家から資金を集めて不動産を購入し、家賃収益や売却益を分配する | 1万円程度 |
自身で建物や土地を購入して運用する不動産投資では、まとまった資金が必要となります。一方、不動産の小口投資であれば少額から始められるため、分散投資の手段として選びやすいでしょう。
最後に
投資先や投資タイミングを分散する分散投資をすれば、大きな損失が発生するリスクを軽減でき、値動きに過敏になることなく資産運用を行うことが可能です。
分散投資先のひとつに、不動産小口化商品があります。不動産小口化商品では、通常であれば数千万円から数億円の資金が必要となる物件に投資することができます。なかでも、弊社の不動産小口化商品「Vシェア」は、都心のプライムエリアにあるオフィスビルなどの資産価値が高い物件に、500万円(1口100万円単位・5口以上)から投資できます。通常の不動産とくらべて少額から始められるため、ポートフォリオに「不動産小口化商品」を加えた分散投資に取り組んでみましょう。
「Vシェア」について詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。
≫不動産小口商品について詳しく知りたい方はこちら
≫不動産小口商品「Vシェア」についてはこちら
- 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
- 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。

監修者
吉田 美子よしだ よしこ
Plus-プリュス- 代表
株式会社アドバンス・フィナンシャルプランニング 所属
日本では数少ない独立系FPとして、資産運用、相続、不動産、保険、リタイアメントプランなど年間延べ450組超のコンサルティングを実施。
キャッシュフローによる人生の可視化と正しい知識を身に付けることの重要性を女性FPの視点からお伝えしている。
Plus−プリュス−(https://www.fp-plus.net/)
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