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J-REITのリスクは?初心者向けのリスク対策【FP監修】

投資 投資信託投資におけるリスク

投資信託投資におけるリスク
写真:橋本 秋人

監修者

橋本 秋人

FPオフィス ノーサイド代表
ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント

目次

「不動産小口化」完全ガイド

資産運用をお考えの方のなかには、J-REITに興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。J-REITは比較的利回りが高いとされる金融商品のひとつですが、その分個人ではコントロールがむずかしいさまざまなリスクもあります。この記事では、J-REITにはどのようなリスクがあるのか、投資初心者の方向けにJ-REITのリスク対策についてもご紹介します。

1. J-REITとは?

REITとは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称で、投資家から集めた出資金で複数の収益不動産を取得・運用し、賃料収入や売却益などの利益を投資家に配当する金融商品のことです。日本ではJ-REITと言われており、個人でも証券取引所を通して気軽に売買することができます。不動産投資法人が発行する投資証券を売買するという点では投資信託と似ていますが、投資法人の事業は不動産事業に制限されているため、J-REITは不動産の小口投資として認知されています。

1-1. J-REITのメリット

J-REITのメリットとしてまずあげられるのは、少額の資金から投資を始められるという点です。通常の不動産投資では、多額の投資資金が必要ですが、J-REITは、数万円から数十万円といった少額の資金からでも投資をすることができます。J-REITは投資信託ですので、個人ではむずかしい複数の収益物件への分散投資が可能です。また、運用についてはプロに任せることができるため、物件の維持管理のわずらわしさもありません。さらに、証券取引所を通して売買できるので、現物の収益不動産にはない、換金性の高さがあります。初心者でも気軽に始めやすい資産運用のひとつではないでしょうか。

1-2. J-REITのデメリット

J-REITのデメリットとして、レバレッジが利用できないことがあげられます。通常の不動産投資では、不動産を担保に融資の借入れができれば、手元資金が少なくても高額の収益不動産を購入することができ、大きな収益を得ることが可能です。このように少額の手元資金と借入を利用し大きな投資をすることを、レバレッジと言います。
しかしJ-REITを購入する場合には借入れは行わないため、手元資金イコール投資額になります。そのため、収益のスケールも限られてしまいます。

2. J-REITのリスクとは?

J-REITは個人でも始めやすい投資手法のひとつですが、さまざまなリスクも伴います。J-REITへの投資を検討する際には、リスクをしっかりと把握することが重要です。

2-1. 価格変動リスク

J-REITは収益不動産に投資をするため、不動産市場や経済状況の影響を受けて、賃料が減少したり保有物件の価格が下落する可能性があります。それにより、J-REITの価格が下落し、元本割れしたり、分配金が減少したりするリスクがあります。

2-2. 金利変動リスク

J-REITの運用資金は、投資家から集めた資金だけではなく、銀行などの金融機関から借入を行っているケースも多くあります。金利の上昇は運用状況に大きく影響し、J-REITの価格が下落したり、分配金が減少したりというリスクがあります。

2-3. 自然災害リスク

J-REITでは現物不動産を投資対象とするため、地震や洪水など自然災害により保有不動産が被害を受けると、価格の下落や分配金の減少にもつながります。

2-4. 不動産投資法人の上場廃止や倒産リスク

J-REITの投資先である不動産投資法人は、株式投資における上場会社と同様に、上場廃止となるリスクを抱えています。不動産投資法人が、証券取引所の定める上場基準に違反するなどして上場廃止になった場合には、その後の取引がかなり困難になる可能性があります。
また、例えば金利の急激な上昇によって借入が困難になった場合など、キャッシュフローの悪化や経営状況によっては、不動産投資法人も一般企業と同様に、倒産するリスクがあります。

≫ ボルテックスが考える資産運用支援とは

3. 初心者の方が行うJ-REITのリスク対策

J-REITにはさまざまなリスクがあることをご理解いただけましたでしょうか。J-REITを始める際は、メリットだけではなく、リスクも把握しておくことが大切です。
ここからは、投資初心者の方に向けてJ-REITのリスク対策についてご紹介します。

3-1. 東証REIT指数を確認する

東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場している全てのJ-REIT銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数のことです。J-REIT全体の動きを表しているため、日本の不動産市場がどのような動きをしているかを把握するための指標となり、多くのファンドでもベンチマークとしています。投資初心者の方がJ-REITへ投資する場合、まず東証REIT指数を確認し、J-REIT市場全体の動向を把握しておくことが大切です。
さらに、同じJ-REITでも投資対象はさまざまです。オフィス系、住居系、ホテル系、物流系など、それぞれのカテゴリーにより特徴があり、値動きも異なります。全体の値動きを示す東証REIT指数と併せて、カテゴリー別の指数も確認しましょう。

3-2. 各REIT商品のIR資料を確認する

一口にJ-REITと言っても、商品ごとに投資対象や運用状況が異なります。
J-REITでは、個別の商品ごとにIR情報を開示しています。全体の決算内容や財務状況はもちろんですが、保有物件ごとの賃貸面積・テナント数・稼働率・事業収益・評価額やその推移などがたいへん詳細に公表されています。IR情報をよく読むことで、同じJ-REITでも商品ごとの特徴や強み・弱みがよく理解できます。リスク対策のひとつとして、IR情報を確認することは必要です。

3-3. 不動産市場の動向を確認する

J-REITで資産運用する場合、J-REITの動きだけでなく不動産市場の動向についても、しっかりと情報収集しておきましょう。現在はインターネットから得られる情報も多いため、不動産に関する統計資料や調査結果が掲載されている次のようなWebサイトを確認するとよいでしょう。

インターネットだけでなく、専門雑誌や新聞からも不動産市場に関する情報収集は可能です。

3-4. 利回りにとらわれすぎない

J-REITに限ったことではありませんが、不動産投資において高い利回りだけで投資対象を判断すると、思わぬ失敗を招く可能性があります。J-REITの商品を選ぶときも、利回りだけに囚われるのではなく、時価総額やNAV倍率(不動産の時価に注目した投資指標)、LTV(借入金比率)、保有する不動産物件の数や投資対象となる不動産の種類など、利回り以外の情報をよく確認することも必要です。

3-5. リスク対策には分散投資がおすすめ

J-REITのリスク対策としては、分散投資があります。投資対象となる不動産の種類やタイプの違う複数のJ-REITに分けて投資を行うことで、リスク分散につながります。J-REITの種類としては、オフィス系・住居系・商業系・ホテル系などに特化した商品がありますが、2つ以上の種類を合わせた複合型・総合型の商品を選ぶことも分散投資になります。
また、J-REITだけでなく、その他の金融商品と組み合わせて行う分散投資も、J-REITのリスク対策として有効です。

4. 最後に

今回はJ-REITのリスクについて、解説してきました。J-REITはメリットも多く、個人でも始めやすい不動産投資のひとつですが、その分リスクも伴います。J-REITで資産運用する際は、リスクを把握したうえで、今回ご紹介したリスク対策を参考にしてください。

また、J-REITと同じく個人でも始めやすい不動産の小口投資としては、不動産小口化商品もおすすめです。弊社の不動産小口化商品「Vシェア」は、長期分散投資のために設計され、1口100万円単位で5口(500万円)から不動産の小口購入を実現した商品です。「Vシェア」の運用により投資家の皆様が得ることができる利益は「毎月の賃料収入の分配」と「一定期間運用後の売却代金の分配」、さらにJ-REITと異なり現物不動産を保有することになるため、相続へのお取り組みとしても活用できます。「Vシェア」について、より詳しくご覧になられたい場合は、下記ページをご参照ください。

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写真:橋本 秋人

監修者

橋本 秋人はしもと あきと

FPオフィス ノーサイド代表
ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント

プロフィール
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保有資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、終活アドバイザー(終活アドバイザー協会) 他

1961年東京都出身。早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。長年、顧客の相続や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。
FPオフィス ノーサイドhttps://fp-noside.jimdo.com/

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