通販の枠を超え体験価値を創造dinosの新戦略【株式会社dinos 加藤 浩輔氏】
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カタログ・テレビ通販「ディノス」を展開する株式会社dinosは、2025年4月に新たなブランドメッセージ「わたしの『好き』、みつけた。」を策定しました。さらに、今年は、新規事業である新品家具レンタルサービス「flect(フレクト)」の提供エリアを拡大するなど、通販事業の枠を超えた新たな動きを見せています。次世代に向け、dinosが目指す企業像とは、一体、どのようなものでしょうか。代表取締役社長の加藤浩輔氏に伺いました。
新たなブランドメッセージに込めた思い
2025年4月、dinosは新たなブランドメッセージ「わたしの『好き』、みつけた。」を策定しました。このメッセージには、dinosの商品やサービスを通じて、お客様にワクワクや安らぎといった体験をお届けしたいという思いが込められています。dinosにとって、通販事業は創業以来の主力事業です。しかし、その本質は、単なる商品やサービスの提供ではなく、お客様の日々の暮らしを彩る「体験プロデュース」にあるのです。新たなブランドメッセージには、そうした姿勢を明確に打ち出しました。
では、なぜブランドメッセージを刷新するに至ったのか。それはdinosを取り巻く環境が、近年、極めて急激に変化しつつあるからです。今やオンラインショッピングは、社会のインフラといっても過言ではないほど定着しました。通販事業に乗り出すプレイヤーも次々と現れ、競争は日に日に激化しています。また、AIの進化や普及に伴い、お客様による商品のリサーチや価格の比較も容易になりました。「お客様から選ばれる」ことの難易度が高まっていく中で継続的な成長を実現するには、自社の提供価値を再確認し、独自の強みを生かして事業を展開する必要があります。ブランドメッセージ刷新の背景には「もう一度、自社の強みを見つめ直したい」という狙いがありました。
「高品質」と「多様な顧客接点」が成長のエンジン
その末に、再認識した強みが「品質へのこだわり」です。dinosは創業以来、高品質な商品を厳選して取りそろえてきました。
「家具」がわかりやすい例です。dinosでは、海外の有名デザイナーズ家具を含むインポート品から国内大手メーカー品まで、高品質で幅広い家具を取りそろえています。しかも、家具担当のスタッフが実際に自ら利用してみて、おすすめできる商品をラインナップに加えるといった徹底ぶりです。私はdinosで購入したタンスを自宅で利用していますが、表面の仕上がりや引き出しの出し入れの滑らかさに舌を巻くことがたびたびあります。こうした商品の品質は、お客様によりよい体験をお届けするうえでの強みだと思います。
また、ECだけでなく、カタログやテレビなどマルチチャネルの顧客接点を有していることも、dinosの優位性だと思います。複数媒体で商品を展開できる点はもちろん、各媒体の特性を生かしたPRも可能です。限られた時間内で商品をPRするテレビショッピングでは低~中価格帯の商品を展開し、じっくりと商品を検討できるカタログでは高価格帯の商品も展開するなど、柔軟かつ戦略的に商品をおすすめできます。さらに、近年では顧客データの分析・活用により、お客様の趣味嗜好や季節需要を踏まえて、One to Oneマーケティングを展開することも可能です。
これまでdinosが培ってきたノウハウやインフラは、今後の飛躍の原動力にほかなりません。独自の強みを生かしてdinosだからこその価値を提供することが、次の時代を勝ち抜く道標になると確信しています。
通販の枠を超え、家具のレンタルサービスに進出
その方針のもと、dinosは現在、新品家具レンタルサービス「flect(フレクト)」に注力しています。flectは、dinosが取り扱っている新品家具をレンタルし、利用しながら購入を検討いただけるサービスです。最終的に「買取」と「返却」のどちらかを選択できるため、お客様のお部屋やライフスタイルに最適な家具を選ぶことができます。
読者の皆様も、家具選びに困った経験があると思います。家具は、洋服や化粧品などのように「お試し」が難しいです。その反面、滅多に買い替える商品でもないため、購入時には設置場所のスペースや高さ、背景色などを綿密に調べて、慎重に検討しなくてはいけません。昨今では、AR技術を用いて家具の配置をシミュレーションするサービスが数多く提供されていますが、「実際に置いてみないとわからない」という声をよく耳にします。
そうしたお客様の不安を受けて、「家具選びで失敗する人をゼロにしたい」という思いのもと、スタートしたのがflectです。以前から高品質の家具を数多く取り扱い、家具配送のノウハウやロジスティクスも有しているdinosだからこそ提供できるサービスだと自負しています。
しかし、サービス開始にあたっては、気がかりな点もありました。「家具のレンタル」という新規性の高いサービスが、本当に市場に受け入れられるのか。仮にサービスが利用されても、返却が相次げば採算割れしてしまうのではないか。事業としての価値は確信しながらも、祈るような気持ちでサービスのリリースに踏み切りました。
結果的に、その心配は杞憂に終わります。手応えをつかんだのは、お客様の家具購入の検討結果を分析した際のことです。実に全体の7割がサービス利用後に「購入」を選択しており、多くのお客様がdinosの家具にご満足いただけていることがわかったのです。「このサービスは世の中に求められている」。そう確信した瞬間でした。
flectの対象エリアを大幅拡大。法人向けにも展開中
2026年5月、flectはサービス対象エリアを、従来の25都府県から46都道府県に拡大しました。当初、事業のポテンシャルを見極めるため、一部地域に限定してサービスを提供していましたが、想定以上の成果が得られたことや、対象エリア外のお客様からサービス開始のご要望が数多く届いていたこともあり、大幅なエリア拡大に踏み切りました。これで沖縄県を除く、国内すべての地域にサービスをお届けできるようになりました。
また、2024年8月には、flectの法人向けサービス「flectBiz(フレクトビズ)」もリリースしています。近年、オフィスやコワーキングスペースはもちろん、家具付き賃貸マンションや民泊など、家具レンタルとマッチしやすい業態のビジネスが盛んです。特に、家具付き賃貸マンションや民泊の付加価値向上に、dinosの高品質の新品家具は最適だと思います。実際に、flectBizはリリース後、急速なペースで売り上げを伸ばし、flectの背中に届かんばかりの勢いです。今後は、BtoCとBtoBの両面でflectのシェアを拡大し、家具レンタルを日本人の生活習慣として根付かせたいと思っています。
今年、dinosは創業55周年を迎えました。「ゴーゴー!」の年ですから、今年をさらなる飛躍に向けた転機にしたいです。総合通販事業という、既存のビジネスの強みやインフラを有効活用しながら、flectのような新たな領域のビジネスをさらに加速していきます。その先に、多くのお客様のよりよい「体験」を創造することが、今後も変わらぬdinosの目標です。
[編集]株式会社ボルテックスコーポレートコミュニケーション部
[制作協力]株式会社東洋経済新報社
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