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【チェックリスト付き】オフィス移転に必要な手続・スケジュールを解説

目次

成長期の企業では、売上や人員の増加にともない、オフィスが手狭になるケースが多く見られます。オフィス移転をスムーズに実現するには、物件選びや内装工事の手配だけでなく、現在のオフィスの解約手続なども並行して進めなくてはなりません。移転によって事業が中断しないよう、綿密な計画を練って進行する必要があります。

この記事ではオフィス移転の流れを、移転先の選定前から移転当日、移転後まで順序立てて解説します。各フローのチェックリストも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

オフィス移転の流れ

オフィス移転の全体的な流れをはじめに把握しておくことによって、その後の計画が立てやすくなります。移転を決断してから実行完了までの大まかなフローは、次のとおりです。

  1. 移転計画を作成し社内決定
  2. 移転先の比較検討、契約
  3. 内装工事、設備インフラ工事、移転作業の委託先を決定
  4. 現オフィスの解約手続
  5. オフィスの移転
  6. 移転後の届出など

社内で抱えている課題に応じて、移転のコンセプトや新オフィスのレイアウトを決めましょう。各ステップごとに実施する内容を、次の章からチェックリストにまとめました。

オフィスの移転先選定までのチェックリスト

まずは新オフィスを選定するまでに行う内容を整理しましょう。

<チェックリスト:移転決定後の実施項目>

□ 現オフィスの契約内容を確認する
□ 移転計画書を作成する
□ 社内でプロジェクトチームを作る
□ 移転までをスケジュールに落とし込む
□ 移転費用の概算予算を確保する
□ 移転先の条件を洗い出す

移転を行う目的に応じ、新オフィスの面積や立地などの条件を決定するため、目的を明確にして社内で共有する必要があります。

移転完了までの大まかなスケジュールも作成しましょう。

<スケジュールの例>

□ 移転先の物件探し・契約(5~8カ月前)
□ レイアウト案の作成、工事業者との打ち合わせ(4~7カ月前)
□ 現オフィスの解約通知(3~6カ月前)
□ オフィス家具の選定・発注(3カ月前)
□ 移転先の電気・空調・内装工事の開始
□ 社内告知~引越し準備(2カ月前)
□ 取引先への連絡、各種届出(移転完了前後)

上記の内容を実施する時期について、スケジュールに落とし込みます。

現オフィスの解約日は、賃貸の契約内容を確認したうえで決定しなければなりません。退去後の原状回復工事も契約期間内に完了させる必要があるため、工事にかかる日数も見越して解約日を予約します。一般的には約3カ月から6カ月前に解約を予告するよう定められているケースが多いでしょう。

移転先オフィス選定時のチェックリスト

移転先を探す際は、オフィス物件仲介の実績豊富な不動産会社への依頼がおすすめです。各社で得意なエリアや物件のタイプが異なる場合もあるので、複数社に紹介を依頼するとよいでしょう。

このとき、賃料や面積、設備のほか、立地エリアや最寄駅からの距離など希望の条件を伝えます。

不動産会社から複数の物件を紹介された場合、次のチェックリストに基づいて、候補を絞り込みましょう。

<チェックリスト:移転先の選定・契約>

□ 立地・最寄駅からの所要時間のチェック
□ 周囲の環境(銀行・役所・飲食店の有無)の確認
□ 賃料・保証金・管理費などの必要コストを確認
□ 同程度のスペックの物件との比較
□ 内見時に共用設備やインフラ、セキュリティなどを確認
□ 入居希望日の確定と申込書の提出
□ 新オフィス契約

案内された物件の中から、理想的な新オフィスにめぐり合える可能性もあります。ただ実際には「駅近で面積も十分だが、賃料が予算オーバー」「築浅の物件で予算内だが、面積が少し足りない」など、要望には完全に合致しない中で選択する場合も出てくるでしょう。

立地は企業のブランドイメージや人材確保のしやすさにもかかわる重要なポイントです。また従業員の通勤時間や取引先への影響が最小限にとどまるよう、現オフィスからの距離にも配慮した方がよいでしょう。金融機関や業務に関連する公的機関、飲食店などが周辺にあるか否かも業務の効率に影響します。

ただし、人気の高いエリアでは賃料も上がるのが一般的です。そのほか、必要なコストには管理費・保証金・権利金・更新料・不動産会社の手数料などがあり、総額で予算を組む必要があります。

一定の条件をクリアした物件については、内見を依頼しましょう。外観や共用部分の状態だけでなく、空調設備などもチェックします。駐車場の台数や、夜間・休日にビルに立ち入るときの方法なども、あわせて確認しておくと安心です。

内見後に疑問点や不安がなければ、契約内容や重要事項を確認して、新オフィスの契約締結を行います。

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移転先決定から移転前までのチェックリスト

新オフィスの決定から移転完了までに行う内容は、社外との打ち合わせや手続、社内準備など多岐にわたります。

移転が遅れたり、移転後の業務に支障が生じないよう、チェックリストに基づき入念な準備をしましょう。

ここでは以下の項目ごとに、実施する内容とチェックリストを解説します。

  • 新オフィスのレイアウトや備品準備
  • 新オフィスの工事依頼
  • 引越し業者の選定
  • 社内マニュアルの作成
  • 現オフィスの解約手続

順番に見ていきましょう。

新オフィスのレイアウト作成や備品の整理

新オフィスのレイアウト作成で行う内容は以下のとおりです。

<チェックリスト:レイアウトの決定>

□ 社内スペースの共用部分を各部署に割り当てる
□ 各部署で必要なスペースを計算し、割り当てる
□ レイアウトのコンセプトを決める
□ レイアウト図をチェックする
□ 企業イメージに合っているか
□ 電源は確保しやすいか
□ 来客時の動線に無駄がないか
□ 受付や会議室の面積は十分か
□ セキュリティや避難経路が確保されているか
□ デスクやキャビネットの配置は作業効率がよさそうか

新オフィスのレイアウトを決めるには、まず全社共通のスペースとして、受付や応接室、会議室などのほか、備品庫や休憩スペースを割り当てます。次に部署別で必要な執務スペースの面積を確保するとよいでしょう。

一般的に、従業員のみが利用する執務エリアと、来客者が立ち入る来客エリアを分けて考えます。自社の要望をもとに、レイアウトの設計を依頼してください。

設計されたレイアウトは、オフィス移転の目的が果たせるかどうかという視点でチェックします。移転の4カ月ほど前にはレイアウトが決定するように進めましょう。

大枠のレイアウトが完成したら、オフィス家具を選定し、発注します。

なおオフィス家具会社や工事会社の中には、新オフィスの内装工事だけでなく、引越し作業や現オフィスの原状回復業者の手配まで含めて、オフィス移転をワンストップで委託できる会社もあります。

新オフィスの工事依頼

新オフィスのレイアウト完成後、工事依頼をする際のチェックリストは以下のとおりです。

<チェックリスト:内装工事の打ち合わせ>

□ 完成イメージをパース図(立体図)でチェック
□ 色合いは企業イメージやコンセプトにマッチしているか確認
□ 内装業者との定期的な打ち合わせを設定
□ ビルで指定の電気・空調会社がある場合は、その会社に依頼
□ 内装の工事日程が、電気や空調工事と重複しないように調整
□ 壁紙やパーテーションなど消防法への適合を確認
□ レイアウトの修正・変更時の対応が可能かを確認
□ 電源や空調の位置が図面どおりになっているか確認
□ 発注した設備・家具が正しく納品されているかチェック

移転先のレイアウトが承認されたら、設計図面に基づいて工事業者との打ち合わせを行います。
移転3カ月前までには業者への依頼を完了させましょう。

平面図だけでは、なかなかイメージがつかみにくいものです。したがって、パースと呼ばれる立体図にカラーをつけてもらい完成イメージを確認します。

また電気、空調、通信などビル設備に直接かかわる工事は、ビル管理会社の指定する業者と調整が必要な場合もあります。

引越し業者の選定

引越し業者の選定におけるチェックリストは以下のとおりです。

<チェックリスト:引越し業者の選定>

□ 複数の業者に相見積りを依頼する
□ 廃棄物の引き取りが含まれるか確認する
□ 提供されるダンボール・梱包材の量を確認する
□ 見積りに含まれる作業内容を確認する
□ 自社の対応が必要な作業範囲も確認しておく

オフィスの引越しに慣れた業者を選定し、3カ月前には見積りを依頼しましょう。希望したタイミングで移転するためには、早めの依頼が重要です。
見積りにあたっては、おおよその総量や精密機械など特殊な荷物の有無を伝える必要があります。

見積りにどこまで含まれるかを確認してください。自社でどこまで梱包作業を済ませておく必要があるか、どこから引越し業者に任せてよいかを把握しておかなければ、引越し当日に作業がストップしてしまう恐れがあります。

社内用マニュアルの作成・周知

移転日が決まったら早めに社員に告知し、社内準備を開始しましょう。

移転までのスケジュールや、部署で必要な準備をマニュアルにまとめて共有すると作業がスムーズに進みます。

<チェックリスト:社内用マニュアルの作成と共有まで>

□ 社員への移転計画の説明
□ 取引先へ移転案内の発送
□ 封筒・名刺など印刷物の発注
□ 引越し業者に依頼することと、自社で行うことを分類
□ 移転させる備品と廃棄する備品をリスト化
□ リース会社への移転対応
□ 各部署の共有資料などを分別する担当者を指名
□ 情報部門と連携してIT機器の取扱方法を指示
□ 引越し当日の作業分担の確認

現オフィスの解約手続

賃貸契約の規定によりますが、一般的には3カ月前から6カ月前の時点で借主は解約を申し入れるルールとなっていることが多いでしょう。

解約時には原則「原状回復」を行う必要があるため、オーナーやビル管理会社と事前に工事の範囲を打ち合わせ、原状回復工事を手配します。

<チェックリスト:原状復帰と退去>

□ どこまで原状回復する必要があるか管理会社と調整
□ 指定業者の有無を確認
□ 指定業者がない場合は工事業者に見積りを依頼
□ ビル管理会社と調整し、引渡し日を確定

オフィスの移転当日から移転後のチェックリスト

最後に、移転当日および移転後に行うべき内容をチェックしましょう。

<チェックリスト:移転当日の流れ>

□ 鍵の受渡し方法を確認
□ 搬出時に忘れ物はないかチェック
□ 搬入前に目立った傷があれば撮影
□ 搬出された荷物に不足や破損はないか確認
□ 電話・LAN・複合機などの移設手配
□ 電話回線の変更・転送開始の手続

引越し時の搬出・搬入トラブルを避けるためには、双方での立ち合いが必須です。とくに移転先の共用スペースなどで傷を見つけたら、エビデンスとして、養生や搬入を開始する前に撮影しておいてください。

搬入時点で、ダンボールの数を確認し配送の漏れがないか、荷物の破損がないかをチェックします。

引越し業者が行うダンボールの仕分けや一部の荷解きが完了したら、あとは従業員の出社当日に片づけを行います。

移転後に行う手続

搬入作業が完了し、無事に新オフィスでの業務がスタートしてからも、必要な手続が多数あります。

役所など公的機関への届出に漏れがないように注意してください。あらかじめ行政書士、税理士などに相談しておくとよいでしょう。

主な届け出と提出先として、以下の内容があります。

チェック期限機関名書類の内容
移転7日前まで消防署防火対象物使用開始届出書、防火対象物工事等計画届出書
(従業員が50名以上の事務所は防火・防災管理者選任届出書も)
5日以内社会保険事務所適用事業所名称・所在地変更届
10日以内労働基準監督署名称・所在地変更届
10日以内公共職業安定所事業所各種変更届
10日以内都道府県税事務所旧税務事務所へ異動届出書を提出(納税地が変更の場合のみ)
2週間以内法務局移転登記の申請
1カ月以内税務署異動届出書、給与支払事業所等移転届出書
できるだけ早期に 郵便局・銀行・クレジットカード転居届・住所変更届

オフィス移転の際はチェックリストの作成が重要

オフィス移転は、少なくとも半年ほどの準備期間が必要なプロジェクトです。

業務が滞りなく継続できるように、また不要なコストを発生させないためにも、移転先選定から移転完了までの各工程でチェックリストを事前に作成しておくとよいでしょう。

慣れないオフィス移転にあたっては、オフィス物件に詳しい不動産会社などへの相談がおすすめです。

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「オフィス賃料がもったいない」とお考えの経営者は、下記ページをご覧ください。
>自社のオフィス/事務所・店舗を購入する。自社ビルを購入する

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監修者

金子 賢司かねこ けんじ

CFP

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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