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事業承継税制に必要な特例承継計画とは|書き方と提出方法を解説

目次

事業承継税制の特例措置を活用するためには、特例承継計画の提出が必要です。事業承継税制の特例措置を活用すると、円滑に相続を進め次世代に資産を引き継ぐことが可能性となります後継者の税負担は事業承継における大きな問題となっているため、特例承継計画への理解を深めておきましょう。

本記事では、特例承継計画の概要と記載方法を解説します。事業承継税制の特例措置を受ける際にお役立てください。

特例承継計画とは

特例承継計画とは、事業承継税制の特例措置を受けるために必要な書類です。事業承継税制は、中小企業の後継者が経営者から受け取った株式などにかかる贈与税・相続税の納税が猶予・免除される制度です。

事業承継では、事業を引き継ぐ後継者への贈与税や相続税などが負担となり、円滑な承継を妨げることも少なくありません。

また、事業承継税制には「一般措置」と「特別措置」があります。一般措置と特例措置の違いは以下の表のとおりです。

一般措置特例措置
事前の計画策定不要6年以内の特例承継計画の提出(2018年4月1日から2024年3月31日まで)
適用期限なし10年以内の贈与・相続等(2018年1月1日から2027年12月31日まで)
対象株数総株式数の最大3分の2まで全株式
納税猶予割合贈与:100% 相続80%100%
承継パターン複数の株主から1人の後継者複数の株主から最大3人の後継者
雇用確保要件承継後5年間平均8割の雇用維持が必要弾力化
経営環境変化に対応した免除なしあり
相続時精算課税の適用      60歳以上の者から18歳以上の推定相続人・孫への贈与60歳以上の者から18歳以上の者への贈与
引用:経産省「経営承継円滑化法 申請マニュアル」

特例承継計画のフォーマット(用紙)は、中小企業庁のwebサイトから入手可能です。記入方法は以下「特例承継計画の書き方」で後述します。

中小企業庁webサイト:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_tokurei_yoshiki.htm

特例承継計画の提出期限

事業承継税制の特例措置の適用を受けるには、令和6年(2024年)3月31日までに提出する必要があります。提出期限を過ぎてしまうと特例措置を受けられず、一般措置となってしまうので注意しましょう。

また、特例措置の適用期限は、2027年(令和9年)12月31日となっています。提出期限と間違えないようにしましょう。なお、特例承継計画の提出は相続発生後でも可能です。

特例承継計画の提出先

特例承継計画は上述した提出期限までに、事務所の所在地を管轄する都道府県知事に確認を受ける必要があります。

詳しくはこちらをご確認ください。

認定・申請等に関する窓口について:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2019/190418shoukeizeiseimadoguchi.pdf

特例承継計画の書き方

特例承継計画には、企業情報や後継者の氏名、承継後5年間の経営計画などを記載します。記載事項は、添付する履歴事項全部証明書と一致しなければなりません。こちらでは、特例承継計画の項目ごとの書き方を解説していきます。

会社・代表者・後継者

1. 会社

事業承継税制の特例措置の適用申請する事業者情報を記載します。

申請する事業者がクリーニング業の場合は以下のとおり。

主たる事業内容生活関連サービス業(クリーニング業)
資本金額または出資の総額3,000,000円
常時使用する従業員の数6人

役員や個人事業主は、常時使用する従業員の数には含めません。

2. 代表者

特例代表者の項目は、代表者だった人または提出時に代表者である人の氏名と代表権の有無を記載します。すでに退任している場合には退任日を記載しましょう。

特例代表者の氏名サービス 太郎
代表権の有無□有・■無(退任日:2022年5月18日)

3. 特例後継者

特例後継者は、特例代表者から株式を承継する後継者の氏名を記載します。特例後継者は最大3人まで記載可能です。

特例後継者の氏名(1)サービス 一郎
特例後継者の氏名(2)サービス 二郎
特例後継者の氏名(3)サービス 三郎

なお、特例後継者を変更する際は、変更手続が必要となります。

後継者が株式などを取得するまでの期間の経営計画

株式を承継する予定時期や株式を承継する時期までの課題と対応策を記載します。

後継者がすでに株式などを取得している場合は、「当該時期までの経営上の課題」と「当該課題への対応」の記載は不要です。

株式を承継する時期(予定)令和4年5月1日相続発生
当該時期までの経営上の課題株式などを後継者が取得した後に本申請を行う場合には、記載は不要
当該課題への対応             株式などを後継者が取得した後に本申請を行う場合には、記載は不要

経営者と後継者で経営上の課題を認識し、後継者が承継後に課題への対応ができるように話し合いましょう。

承継後5年間の経営計画

事業承継後5年間の持続・発展に必要となる経営計画を記載します。経営計画では、売り上げや利益の目標数値を記載する必要はなく、事業承継後に事業を持続・発展させていくための具体的な実施内容を1年ごとに記載します。

実施時期             具体的な実施内容
1年目店舗の認知度上げるために、看板の設置やチラシ配布など広告活動の実施
2年目   クリーニングの質を上げるために最新機器の導入
3年目   本店の改装工事の実施
4年目   リピーターを増やすためクリーニング後、最大半年間の預かりサービスの開始
5年目   新規事業展開(コインランドリー事業の進出)

「特例後継者が株式などを承継した後5年間の経営計画」に記載する内容は、すべて新しい取り組みである必要はありません。「なぜその取り組みを行うのか」「取り組みの結果どのような効果が期待できるか」が記載されているか確認しましょう。

指導・助言を受けた機関と内容

特例承継計画には「認定経営革新等支援機関による所見等」が必要です。認定経営革新等支援機関とは、中小企業の経営を支援するために国から認められた税理士や弁護士などの専門家です。

認定経営革新等支援機関による所見等の記載は、特例承継計画の指導や助言を行った認定経営革新等支援機関が行います。

記載する内容は以下の3点です。

  • 認定経営革新等支援機関の名称等
  • 指導・助言を行った年月日
  • 認定経営革新等支援機関による指導・助言の内容

認定経営革新等支援機関による所見等は申請者が記載するのではないので、認定経営革新等支援機関に依頼しましょう。

特例承継計画の内容に変更があった際の対応

特例承継計画に記載された内容に変更があれば、後継者に株の贈与・相続を行う前であれば、「特例承継計画の変更届」を都道府県に提出することで変更が可能です。変更箇所は、認定支援機関の指導および助言を再度受ける必要があります。

なお、事業承継税制の適用を受けている場合は、後継者の変更はできないため注意しましょう。

特例承継計画の変更届は、中小企業庁のWebサイトから入手できます。

特例承継計画の変更届(様式24):https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_tokurei_yoshiki.htm

特例承継計画の提出は期限と書き方が重要

事業承継税制の特例措置を行うことにより、円滑に相続を進め次世代に資産を引き継ぐことが可能となります。適用を受けるためには提出期限までに都道府県に申請する必要があります。トラブルなく事業承継するためにも、特例承継計画への理解を深め、事業承継税制を利用していきましょう。

事業承継は相続や株式譲渡などの手続が複雑になるため、専門家を交えて早期に事業承継計画を立てましょう。ボルテックスでは企業に合った最適なプランをご提案します。

ボルテックスでは事業承継に関する
お悩みやご相談に随時お答えいたします。

期待どおりの税務上の効果が得られない可能性があります。

税制改正、その他税務的取り扱いの変更により効果が変動する場合があります。

監修者

金子賢司かねこけんじ

資格:CFP

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、毎年年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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