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コロナ禍でも力強さを増す東京回帰の流れ

目次

コロナ禍で大企業を中心にリモートワーク導入が進み、東京を離れて郊外や地方に居住して仕事をする人が増え、「脱東京」が進むという観測がありました。ところが人口の流れを見ると、2021年に東京の人口は流入に転じていて、20代だけで見ると約6万人の転入超過となっています。脱東京が本格的な流れにならず「東京回帰」が進む背景には何があるのか、ジャーナリストで編集工房レーヴ代表の山田稔氏にうかがいました。

コロナ禍でも「脱東京」は大きなトレンドにはならず

2020年初頭に始まった新型コロナウイルスによる感染症拡大で、多くの企業がビデオ会議システムを使って在宅勤務を奨励したり、通勤日数を減らしてオフィスから離れた場所に居住できるようになったり、リゾート地で仕事をする「ワーケーション」が話題になったりしました。

 企業は都内のオフィスを縮小してリモートワーク中心の仕事になり、社員はオフィスに通勤するために都内に住居を持つ必要がなくなって、より広い居住空間を安価に入手できる郊外や地方に移住する人が増えるという観測が、多くのメディアで報じられました。

 ところが、東京都の「テレワーク実施率調査」によると、コロナ禍前の2020年3月には24.0%だったリモートワーク実施率は1回目の緊急事態宣言の発出で62.7%に跳ね上がりましたが、宣言が解除されると50%台に減少して、再度宣言が発出されると60%台に増加するという状況が繰り返されています。2022年4月の都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は52.1%で、3月の調査(62.5%)に比べて10.4ポイント減少しています。企業規模別の実施率を見ると、従業員300人以上の企業が77.8%であるのに対して、30-99人の中小企業の実施率は44.9%です。

2020年初頭に始まった新型コロナウイルスによる感染症拡大で、多くの企業がビデオ会議システムを使って在宅勤務を奨励したり、通勤日数を減らしてオフィスから離れた場所に居住できるようになったり、リゾート地で仕事をする「ワーケーション」が話題になったりしました。

 企業は都内のオフィスを縮小してリモートワーク中心の仕事になり、社員はオフィスに通勤するために都内に住居を持つ必要がなくなって、より広い居住空間を安価に入手できる郊外や地方に移住する人が増えるという観測が、多くのメディアで報じられました。

 ところが、東京都の「テレワーク実施率調査」によると、コロナ禍前の2020年3月には24.0%だったリモートワーク実施率は1回目の緊急事態宣言の発出で62.7%に跳ね上がりましたが、宣言が解除されると50%台に減少して、再度宣言が発出されると60%台に増加するという状況が繰り返されています。2022年4月の都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は52.1%で、3月の調査(62.5%)に比べて10.4ポイント減少しています。企業規模別の実施率を見ると、従業員300人以上の企業が77.8%であるのに対して、30-99人の中小企業の実施率は44.9%です。

再開発でますます利便性が高まる都心部

 東京では2021年に開催された国際的なスポーツ大会に照準を合わせた再開発が相次いで完工していて、都心部の利便性はますます高まっています。都内の住宅建築ラッシュも続いていて、中央区や江東区、江戸川区など湾岸部を中心にタワーマンションも数多く計画されている状況です。一方、コロナ禍で世界的なサプライチェーンの混乱やロシアのウクライナ侵攻により建築資材は高騰していて、建築に関わる人件費の上昇と相まって、マンションや戸建の価格は今後も上がることはあっても下がることはないと見られています。

 それでも世帯年収1400万円以上、個人年収700万円以上の高収入共働き世帯が牽引役となって低金利の住宅ローンを活用して都心部のタワーマンションを購入したり、シニア層が郊外の戸建を売却した資金で便利な都心に移り住んだり、会社経営者や経営幹部が都心のオフィスに近い高級賃貸物件に居住する事例は増えています。

 さらに為替が円安に進んでいることもあり、海外のほかの都市よりも割安な東京の不動産に投資したいという中国や東南アジア系の富裕層、低金利下でも安定的な利回りが得られることに目をつけた国内の地方の資産家が、タワーマンションなど高額物件を中心に購入していて、コロナ禍でも都心の住宅需要は旺盛です。

 東京都の住宅地の公示地価は、アベノミクスによる金融緩和もあって2013年から2022年までに29.8%上昇しており、2022年は住宅地が前年比1.0%、商業地は0.6%上昇しています。特に都心の千代田区、港区、中央区を中心に土地価格は大きく上昇しています。不動産経済研究所の「首都圏新築マンション市場動向」によると、東京23区の分譲マンションの平均価格が2021年4月と8月には1億円を超えました。

 タワーマンションを中心に高級物件の需要は多く、当面は高値で推移していくと考えられます。コロナ禍が落ち着き、外国人ビジネスマンの来日や居住が増えると、都心の住宅価格は一段と上昇する可能性もあります。

都心部に暮らす人の満足度や定住意欲は高い

 東京都が2021年9月から10月にかけて実施した「都民生活に関する世論調査」では、生活満足度に関して「満足」という回答が51%(2020年より2ポイント増)、「不満」が43%(同2ポイント減)で、居住者の満足度は上昇していることがわかります。

 東京への定住意向については、今後も「住みたい」が68.1%(2021年より2ポイント減)で、住み続けたい理由として「交通網が発達していて便利だから」(80.9%)、「東京に長く暮らしているから」(54.8%)、「医療や福祉などの質が高いから」(36.7%)などが上がりました。ほかにも「文化的な施設やコンサート・スポーツなどの催しが多いから」(27.3%)、「最新の情報が手に入り、流行の先端に触れることができるから」(17.1%)など、生活に必要なインフラが充実していて、最新の先端的な生活ができる東京の生活の利便性や快適性に満足していることがわかります。

 一方で、都政への要望として「医療・衛生対策」(44.0%)、「防災対策」(41.2%)、「高齢者対策」(40.3%)といった回答が40%を超えています。コロナ禍で浮き彫りになった医療・衛生の脆弱性や、将来起きることが想定される首都直下地震、東京だけでなく国全体の課題でもある少子高齢化問題など、全国的に取り組むべき課題が、人口の多い東京において上位を占めていることがわかります。

 東京都は2021年10月に「国際金融都市・東京」構想2.0を策定し、将来の姿として世界をリードする「国際金融都市」を目指し、官民が連携しながら金融の活性化に向けた取り組みを推進しています。

 今はコロナ禍第七波の状況にありますが、やがてコロナ禍が落ち着いてウィズコロナの新しい生活様式が定着し、アフターコロナに向けて海外からの人流が増えていくことで、東京の再開発やインフラ整備は一層進むことが予想されます。10年後、20年後に向けて、都市インフラや施設、防災機能などハード面の整備と、生活のしやすさや満足度といったソフト面の両面をアップグレードしていくことで、首都・東京の魅力は一層高まるでしょう。日本国内だけでなく世界から多くの人材を引きつける都市に進化していくことが東京の目指すべき未来の姿なのです。

>東京都市部を中心に展開する「区分所有オフィス」とは

お話しいただいた方

山田 稔様
やまだ・みのる

ジャーナリスト

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。

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