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「貯蓄から投資へ」という政府の推奨もあり、投資を考える人が増えています。中でも価格や物件を目にする機会が多い不動産への投資が気になる人は多いようです。
代表的な資産運用法のひとつとして昔から人気がある不動産投資は、近年さまざまな種類が登場しています。
この記事では7種類の不動産投資方法と、そのメリット・デメリットを解説します。初心者におすすめの投資方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1.不動産投資7種類の比較
不動産投資は大きく7種類に分けられます。
<不動産投資の種類と特徴>
不動産投資の種類 | はじめやすさ | 流動性 | 相続・事業承継 |
---|---|---|---|
区分投資 | ◯ | △ | ◯ |
一棟投資 | △ | × | ◯ |
戸建て投資 | △ | × | ◯ |
オフィスビル投資 | × | △ | ◯ |
J-REIT | ◎ | ◎ | × |
不動産小口化商品 | ◎ | △ | ◯ |
不動産クラウドファンディング | ◎ | △ | × |
それぞれ、はじめやすさや流動性、相続・事業継承のしやすさなどに特徴があるため、運用資産や目的に合った投資方法を選びましょう。
2.区分投資
マンションの1室を購入し、賃貸物件として貸し出すのが「区分投資」です。メリットとデメリットを見ていきましょう。
区分投資のメリット
- 物件価格の幅が広い
- 物件数が多い
- 比較的流動性が高い
数百万円から数億円まで幅広い価格帯の物件が多くあるため、限られた予算でも選択肢の幅が広いことがメリットです。実物不動産の中では比較的流動性が高く、売却しやすいでしょう。
区分投資のデメリット
- 空室時の影響が大きい
- 修繕積立金を毎月払い続けなければならない
1室だけ運用している場合は、空室時の家賃収入がゼロになります。その間もマンションの修繕積立金、固定資産税、所得税などのコストは毎月発生します。これらのリスクを加味して利益が出る物件を選定することがポイントです。
3.一棟投資
「一棟投資」はアパートやマンションを丸ごと購入して入居者から家賃収入を得る投資方法です。まとまった資金がある人や土地を所有している人に向いています。
一棟投資のメリット
- 戸数が複数あるため一定の収益を確保しやすい
- 物件全体の管理ルールを自身が主導で決められる
一棟投資では、複数世帯から家賃収入が得るため、一部の部屋が空室であっても収入が安定する傾向にあります。また、大規模修繕や細かい規則をオーナー主導で決められるため、建物の価値を維持・向上しやすいこともメリットです。
一棟投資のデメリット
- 多額の費用が必要
- 管理に手間がかかる
- 老朽化にともなう空室率の上昇リスクがある
一棟全体の賃貸経営をするため、初期投資や大規模修繕に多額の費用が必要です。金融機関の融資審査も厳しい傾向にあります。区分投資より管理が煩雑になりやすいことも特徴です。
4.戸建て投資
「戸建て投資」は戸建住宅を購入して賃貸物件として貸し出す投資方法です。メリットとデメリットを確認していきましょう。
戸建て投資のメリット
- 競合が少ない
- 立地の影響を受けにくい
- 長期的に入居する可能性が高い
戸建て物件は数が少ないため競争相手が少なく、駅遠物件など立地的に不利な条件でもファミリー世帯などの入居者がつきやすいことがメリットです。また、一度入居すると長く住んでもらえる傾向があります。
戸建て投資のデメリット
- 融資を受けにくい
- 維持管理費用、修繕費用が比較的高い
- 空室リスクが大きい場合が多い
築古など一部の戸建て物件では、金融機関の融資が受けにくい特徴があります。区分投資と比較すると内装や外装など修繕する箇所も多くなるため、維持管理費用や修繕費用が高くなりやすいこともデメリットのひとつでしょう。
5.オフィスビル投資
不動産投資といえば個人が住むマンションやアパートのオーナーになるイメージが強いかもしれませんが、事業用の物件を運用する「オフィスビル投資」という選択肢もあります。
オフィスビル投資のメリット
- 居住用物件より賃料が高い
- 賃料増額交渉が可能
- 定期借家契約により賃料滞納リスクなどを防げる
居住用物件と比較すると高い賃料設定ができるうえ、賃料増額交渉がしやすいメリットがあります。さらにオフィスの賃貸借契約は定期借家契約が一般的であり、トラブルが続いた際は更新を断ることが可能です。
オフィスビル投資のデメリット
- 多額の初期費用が必要
- 景気で賃料が上下しやすい
- 個人では入手しにくい
事業用の物件は高額なので、多額の初期コストが必要となるうえ、インフレ・デフレなどによって賃料が上下しやすく収入が安定しない場合もあります。また、通常は不動産投資会社などのプロが購入するため、個人では入手しにくいかもしれません。
6.J-REIT
「J-REIT」は、不動産投資の収益を投資家に分配する投資信託のひとつです。金融商品なので現物不動産は保有しませんが、間接的に投資先の不動産のオーナーになります。
J-REITのメリット
- 少額から投資できる
- 分散投資しやすい
- 流動性が高い
- 運用や管理をプロに任せられる
J-REITは数万円から投資できるうえ、1銘柄で複数物件への分散投資が可能です。流動性も高く、運用・管理をプロに任せられるので初心者でも始めやすいでしょう。
J-REITのデメリット
- 融資を受けにくい場合がある
- 短期間で大きく値下がりする場合がある
現物不動産投資ではアパートローンを活用できる場合がありますが、J-REITの投資金額に対する融資はありません。また、他の不動産投資と違って金融市場で取引されるため、流動性は高いものの短期間で大きく値下がりする場合があります。
7.不動産小口化商品
「不動産小口化商品」とは、不動産を数万円~数百万円程度に小口化して販売し、家賃収入や売却益を投資額に応じて分配する商品です。
不動産小口化商品のメリット
- 不動産運用のプロが選んだ物件に投資ができる
- 現物の不動産を保有できる
- 相続へのお取り組みとして活用できる
- 管理の手間がかからない
- リスク分散しやすい
不動産小口化商品は不動産運用のプロが目利きした物件に少額から投資できるため、初心者でも安心して始められます。また、REITとは違い現物不動産を保有できることから、相続へのお取り組みとしても活用されています。
不動産小口化商品のデメリット
- 不動産小口化商品にはまだ選択肢が少ない
- 融資を受けにくい場合がある
- 賃料収入の保証がない
不動産小口化商品は近年人気のある投資方法ですが、購入できる商品がそれほど多くないため、選択肢が限られているデメリットもあります。また、融資を受けにくい場合もあるため、複数購入するにはまとまった資金が必要です。
8.不動産クラウドファンディング
「不動産クラウドファンディング」は、投資家から集めた資金をもとに不動産を購入・運営するクラウドファンディングです。スマホで手軽に運用できる不動産投資として、人気が高まっています。
不動産クラウドファンディングのメリット
- 少額から投資できる
- インターネット上で手続きが完結する
- 分散投資しやすい
- 不動産の管理・運営にかかる手間が少ない
- 不動産投資の専門的な知識が不要
不動産クラウドファンディングは、サービスによっては1万円と少額から始められます。インターネット上で手続きが完結し、運用はプロに任せられるので、資金や時間に余裕がない方にもおすすめです。
不動産クラウドファンディングのデメリット
- 好きなタイミングで換金できない
- 大きなリターンを得るためには多額の自己資金が必要
- ほかの投資方法より手数料が高い場合がある
- 案件によっては応募できない場合がある
不動産クラウドファンディングでは、運用期間中の換金はできない事業者がほとんどです。投資額に対する手数料の割合が高くなりやすく、大きな利益を得るには多額の資金を投資しなければいけません。
9.不動産投資初心者におすすめの種類とは?
不動産投資初心者におすすめの種類は「不動産小口化商品」と「不動産クラウドファンディング」です。どちらも少額からスタートでき、物件の選定から管理、運用まですべてプロに任せられるため、不動産投資の知識や経験が乏しい方でも安心して投資を始められます。
区分投資や一棟投資などの実物不動産では、金融機関の融資審査をクリアしなければいけないうえ、多額の初期費用が必要とされることが一般的です。J-REITは少額から始めやすいものの、流動性が高く相場が動きやすいため、定期的にマーケットを見る必要があります。
不動産投資の種類を決められない方は、まず不動産小口化商品や不動産クラウドファンディングから始めてみてはいかがでしょうか。
また、ボルテックスでは不動産小口化商品「Vシェア」を展開しています。「Vシェア」は、個人では購入が難しい都心のプライムエリアにあるオフィスビルを500万円(1口100万円単位・5口以上)から投資が可能です。
「Vシェア」について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
10.まとめ
不動産投資は、大きく次の7種類に分けられます。
- 区分投資
- 一棟投資
- 戸建て投資
- オフィスビル投資
- J-REIT
- 不動産小口化商品
- 不動産クラウドファンディング
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分の投資目的に合った投資先を選びましょう。不動産小口化商品や不動産クラウドファンディングであれば、運営会社が管理、運用を行ってくれるため初心者でも安心して始められます。
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