事業承継や事業継続、不動産事業、オフィス購入なら、
区分所有オフィスの【ボルテックス】

経営者インタビュー#17
株式会社サイバーセキュリティクラウド
代表取締役社長 兼 CEO  小池 敏弘 様

目次

これまで弊社メールマガジンにて人気シリーズとして全15回にわたりお届けしておりました 『経営者インタビュー「未来へ繋ぐ、わたしの羅針盤」』を、メールマガジン読者の皆様からの反響を受けまして、Vコラムとして掲載をすることとなりました。
完全新作のインタビューはもちろん、過去にメールマガジンで配信をしたインタビューについても、ご承諾いただいたものについては、再編集してVコラムとして更新をしていく予定です!
今回は 株式会社サイバーセキュリティクラウド  代表取締役社長 兼 CEO 小池 敏弘 様へのインタビューをお届けします。

「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念を掲げ、Webセキュリティサービスを開発・販売する株式会社サイバーセキュリティクラウド。
同分野において、クラウド型WAFの累計導入社数・累計導入サイト数の国内シェアNo.1(2021年10月期/日本マーケティングリサーチ機構調べ)を獲得。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ 調査概要:2021年10月期_実績調査

2020年3月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たして以降成長を続け、今後さらなる飛躍と、その先のグローバル展開を見据える小池社長に、経営者として大切にするマインドや理想などについて語ってもらいました。

「日本の経営者の意識を変えたい」
サイバー攻撃への備えを、もっと身近に

悪意のある第三者によるインターネット上での不正行為「サイバー攻撃」は、インターネットの創世期から存在していた問題ですが、近年Webサイト上で収集した個人情報やクレジットカード情報等をサーバーで保管することが一般化されたことにより、その攻撃対象がパソコンや携帯電話といった端末機器だけでなく、Webサイトやサーバーへと広がるようになりました。

その対策として、同社が提供するのがAIによる高度な防御技術を搭載したセキュリティサービス、クラウド型WAF(Web Application Firewall)『攻撃遮断くん』です。

「できるだけリーズナブルに、かつ簡単に導入することができるサービスとするため、月々数万円からご利用いただけるサブスクリプションモデルとして販売しています。この分野にいち早く参入し、実績・ノウハウ・攻撃や防御に関するデータ量が蓄積されたことで、お客様からの信頼を得られたことが、マーケットリーダーになり得た理由の一つです」と小池社長は語ります。

「加えて、海外製が多いサイバーセキュリティ対策製品に対して、我々は国内での開発、営業、サポートにこだわりました。それがお客様にとっての安心感につながったことが大きいですね」。

一方で、高いセキュリティ技術を武器に、世界70カ国以上で支持される海外向けサービスも展開しており、今後国内外でのシェア拡大に拍車をかけていく構えです。

目標はできるだけシンプルに
「1つでも多くのWebサービスを守る」

小池社長が社長に就任したのは、上場から1年後の2021年4月。

「上場という大きな目標を達成した後は、それ以前とは組織としての意識や戦略・戦術が変わる。その新しい舵取りを、ちょうど自分の会社を売却するタイミングだった私が担うことになりました。

上場に向けて邁進する時期は、財務目標や社内体制の整備など、やるべきことが明確であるため、全社員が同じ方向を向いて走りやすい。しかしそれを成し遂げた後、次の目標が何か、社内に意識が浸透しきっていなかったと振り返る小池社長。

そこで社長就任後は、会社のさまざまな情報をキャッチアップすることから開始。社員との信頼関係の構築や各組織の強み・個性の理解を深めたうえで、自分の思いや目標を浸透させていくことを目指したといいます。

「経営者にとっては、売上や生産性を上げることも、人を増やすことも全部つながっていることなのですが、これを社員が経営者と同じ立場になって理解するのは難しい。次に向かうべき目標は、できるだけシンプルなものにしようと心がけました。

高い目標を目指して進むには、一人ひとりの強い気持ちと成長が必要です。そのために、ちょっと青臭いように聞こえるかもしれないけれど、自分たちの事業が世界にもたらす価値について、語り合える内容にしていきたいと思いました」

そしてたどり着いたのが「自分たちの製品・サービスで、1つでも多くのWebサービスを守る」という明確な目標でした。

「企業というのは永続的に続いていくことが大前提。ですから売上・利益を最終目標とするのではなく、もっと大きなビジョンを描いて共有することが大切です。

1つでも多くのWebサービスを守ることで、私たちにはその実績やノウハウが蓄積され、それを活用することでプロダクトの精度も上がる。それにより顧客満足度も高まり、さらに新しいユーザーも増えていく。

私たちのビジネスモデルはサブスクリプション方式(月額課金制)なので、こんな流れを作ることができれば、自然と売上と利益が積み上がっていきます。つまり『1つでも多くの Webサービスを守る』という目標に凝縮されているのです」

つい先日、2025年に向けた4カ年の成長戦略をまとめたという小池社長。

「明確な中長期目標を浸透させていくのはここからなのですが、これで4年間の定量的な進むべき未来を示すことはできました。完成した週末は、初めて仕事を一切しない時間を過ごしました」と満足げな笑みを浮かべて語ってくれました。

失敗を恐れない組織づくり
一歩を踏み出す人が賞賛される会社に

慢性的な技術者不足が叫ばれて久しいIT業界。とりわけセキュリティという分野の人材確保は、特に難しいと自覚しているそうです。

「IT業界を目指す人材は、ECサイトやアプリ開発など、わかりやすい分野に目がいくと思います。セキュリティは縁の下の力持ちだし、失敗できないというイメージがあるので、採用に関する難しさはあると思います。結局は『僕らの製品を待っている人がいる』という事実を示し、『セキュリティ領域は意義ある仕事だ』、という動機づけをすることに尽きるでしょうね」

今後は新卒採用や海外エンジニアの採用などにも力を入れ、売上目標に比例するような数百名規模の組織を作りたいと考えているそうです。

さらにその拡大を目指すために「失敗を恐れない組織」を理想に掲げていると小池社長は言います。

「「失敗したら批判される」とか「確実なものをやってほしいと上司に言われる」とか、新しいチャレンジをしない、できない理由というのはいっぱいあるとは思います。しかし個人でも組織でも、最初の一歩を踏み出さないと何も始まらない。

『失敗しても大丈夫』という雰囲気を社内に醸成すること、一歩を踏み出す人が称賛される世界を作っていきたいと思っています」

そんな小池社長に、最後に今後のチャレンジについて、語ってもらいました。

「セキュリティに関する日本の経営者の意識を変えたい。サイバーセキュリティの意識は日本ではまだ低く、特に準大手以下の企業では、どこか対岸の火事のように考えている経営者も多いと思います。しかし気づいていないだけで、すでにサイバー攻撃を受けている可能性はありますし、2022 年4月に改正個人情報保護法が全面施行されて罰則も厳しくなりますので、今までのように他人事でいることはできなくなります。

サイバーセキュリティを身近な課題として認識してもらうために、日本の社会や経済全体をサイバー攻撃から守って行こうというムーブメントを起こしていきたいと考えています」

その目標の先には「グローバルカンパニーとして、セキュリティの分野で海外に進出する」という夢も描く小池社長。そのための足固めをすべく、社内の仲間とともにビジョンの共有から始めていきたいと背筋を伸ばしていました。

事業継続の一覧に戻る
  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。

関連記事

Recommend