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経営者インタビュー#11
株式会社アイ・テック
代表取締役社長 大畑大輔 様

目次

これまで弊社メールマガジンにて人気シリーズとして全15回にわたりお届けしておりました 『経営者インタビュー「未来へ繋ぐ、わたしの羅針盤」』を、メールマガジン読者の皆様からの反響を受けまして、Vコラムとして掲載をすることとなりました。
完全新作のインタビューはもちろん、過去にメールマガジンで配信をしたインタビューについても、ご承諾いただいたものについては、再編集してVコラムとして更新をしていく予定です!
今回は過去にメールマガジンとして配信した 株式会社アイ・テック  代表取締役社長 大畑 大輔 様へのインタビューをVコラム版としてお届けします。

静岡県静岡市に本社を置く株式会社アイ・テックは、鉄鋼メーカーと多種多様なエンドユーザーを結ぶ「鉄の商社」として、ユーザーのニーズに合わせた高精度な鋼材加工技術による高付加価値製品を提供してきました。2023年に創業100年を迎える同社代表取締役社長の大畑大輔様に、同族企業を引き継いだ経緯や悩み、そして今後の方向性について話を伺いました。

長い歴史を礎に、新たな挑戦を続ける
「鉄の商社」3代目社長の、世界を見据えた事業展開

2023年に創業100年の大きな節目を迎える株式会社アイ・テック。創業者である大畑社長の曾祖父は、削った鉄くずなどを販売するスクラップ業から事業を興しました。今の業態の礎を築いたのは、2代目となる祖父・大畑榮一現会長です。

「もともと造船業の町である静岡市清水区で造船系の鉄の板を扱っていました。当時の同業者は、メーカーから決まった長さの材料を仕入れて、お客様に卸すだけの事業を展開していましたが、当社は造船系の需要が終わったタイミングで、祖父は建築の材料に特化した工場を作り、お客様から注文のあった素材に穴をあける一次加工を行いました。今でこそ当たり前ですが、その第一号となったのは当社。これが鉄鋼業界ではモデルケースとなり、時代の波にうまく乗れたこともあって売上もどんどん増えていきました。1990年代の話です」

その後、老舗企業の多い清水区を飛び出し、ビジネスの拡大を求めて関東に進出。建築ラッシュの時流も相まって、H形鋼やコラム(四角いパイプ)建築の材料の製造を中心に、好調な業績を記録しました。

「2008年にはリーマンショックの影響を受け、一時的にではあるものの売上が大幅に減少しました。しかし祖父の判断と切り替えが早く、不採算部門から早いタイミングで撤退することで、損失も最小限で済みました」と振り返ります。

人と人とが向き合うことで生まれる信頼
変革を図るときには、意思統一が大切

祖父の跡を継ぎ、33歳の若さで事業を引き継ぐことになった大畑社長。

「大学を卒業して別の会社への就職が内定していたのですが、急に後継の話が出たので、それを断り入社しました。ただその際に『会社を知るために現場の仕事から始めたい』というお願いはしました」

その希望通り、現場での下積みを一年ほど続け、社員との距離間を縮めていったといいます。

「祖父がそうであったように、トップは会社のすべての業務に対してオールマイティに動ける方がいい。それでも、現場の細かい作業について分からないこともあり苦労しますが、下積み時代に築いた人間関係のおかげで周りがサポートしてくれる体制ができました。あとはアイディアでどう会社の経営の舵をとるか。そこが社長としての手腕が問われるところですね」

祖父の代からの取り組みを変更する際には、成功体験や実績を否定するかのような誤解を社員に招くこともあるとしながらも「やっとこの3年くらいで自分の意見をいえるようになりました。苦労しながらも時代に合わせて変化させる、そこに一番やりがいを感じますね」という大畑社長。

「時代が変わり、先代の頃には想定されていなかった経営の帰路に立つこともあります。これから先も、変化に対応する改革がどうしても必要な場面もあるでしょう。それをどう伝え、理解を得るのか。私は社長に就任したときから、会長となった祖父に対しても、いうべきときにはきちんと発言すると決めていました。お互いに向き合って、納得するまで話をする。一方通行ではなく、お互いに議論を重ねたうえで進むべき道を選ぶことが大切だと思います」

同族企業として、曾祖父、そして祖父から事業を受け継いだ大畑社長には、目標としている企業があります。それが同業の老舗商社であり、名古屋に本社を置く岡谷鋼機株式会社です。

「創立約360年になる企業ですので、大政奉還や戦争など、歴史上のさまざまな国家的危機を乗り越えながら、代をつないできたわけです。同族企業の経営者は、物事を長期的な視点で見ることができなければ生き残れない。長く続く同族企業には、学ぶことが多いと感じています」

現在6歳になる息子さんがいる大畑社長。30年後の関係性を想像し「子供が社長に就任したら、そのやり方にあまり口を出さないほうがいいかなと思っています。私がしてきたことは、きちんと会社のバックボーンとしては残しつつ、新しい世代に任せるところは任せていきたい。私のときもそうだったので」と笑みを浮かべ、まだ先の未来に思いを馳せていました。

社会の変化を見据えた新たな挑戦
勉強しながら、積極的にチャレンジしたい

建設の約5分の1を請け負ったという新国立競技場やスカイツリー建設に関する事業は、大畑社長の代になってから行った変革により得たものといいます。

「メーカーがある事業から撤退するという情報を聞きつけた際に、自分から直接話をして、それを買い取る動きを始めました。このような戦略も、景気がいいときに準備しておき、景気が悪くなってきたタイミングを見計らって実行するように心がけています」

技術や工法の変革の激しい日本の建設業界。事業者として求められるレベルは年々高まっているといい、そのニーズに応えることができるよう、組織としてのスキルアップを図る必要があるといいます。

さらにはその先の社会の変化を見据え、新しい施工に関する研究開発へも踏み出しているといいます。環境問題や少子高齢化による労働力減少に対応すべく、東京大学と産学連携で開発した新たな工法もその一つです。

「溶接時のCO2排出を削減するため、規定のネジを使い、プラモデルを組み立てるように施工できる工法を開発しました。従来と比べ、鉄骨製作や施工のコストや工期を削減することができ、実際に当社が手がけた商業施設の駐車場工事では工期を2カ月短縮することができました。ほぼメンテナンスフリーを実現した工法なので、コンビニや小規模店舗の建て替えなど、パッケージ化して販売する展開もスタートしています」

建築学会でも話題となったというこの新工法は、すでに特許も取得済み。インドネシア、インド、パキスタンなどからも引き合いがあるといいます。

「現地の鉄鋼メーカーによる材料を使えば、その国の地産地消につながる。今後は海外事業部を作り、本格的に展開していこうと考えています」と語り、新たな事業展開への意欲を示しました。

「正直、やってみないと分からないというのはありますが、常に勉強しながら、いい取り組みには積極的にチャレンジしていきたい。そのためには『人を育てることができる人を育てる』という人材育成も大切だと思います。社員にセミナーを受講させたり、支店にある程度の権限を与えたりといった改革を進め、組織力向上を図っていきたいと思います」

そんな大畑社長が大切にしている名言は、マイケルジョーダンの「一度心に決めたなら、それについて振り返ることはしない」という言葉。「失敗は誰でもする。決めたことをやってみて、その後に検証すればいい」というスーパースターのマインドを胸に、これからも大畑社長のチャレンジは続きます。

株式会社アイ・テックのホームページはこちらです。
http://www.itec-c.co.jp/index.html

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