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経営者インタビュー#08
ベイシス株式会社
代表取締役社長 吉村 公孝 様

目次

これまで弊社メールマガジンにて人気シリーズとして全15回にわたりお届けしておりました 『経営者インタビュー「未来へ繋ぐ、わたしの羅針盤」』を、メールマガジン読者の皆様からの反響を受けまして、Vコラムとして掲載をすることとなりました。
完全新作のインタビューはもちろん、過去にメールマガジンで配信をしたインタビューについても、ご承諾いただいたものについては、再編集してVコラムとして更新をしていく予定です!
今回は過去にメールマガジンとして配信した ベイシス株式会社  代表取締役社長 吉村 公孝 様へのインタビューをVコラム版としてお届けします。

携帯電話を中心とした通信インフラの構築や運用に関わるプロジェクトで培ったノウハウと、最先端のテクノロジーでインフラ業界のDX化に貢献するベイシス株式会社。近年では、5GやIoTなど次世代ネットワークの領域にも事業を拡大し、2021年6月、東証マザーズへの上場を成し遂げました。これまでの歩みについて、またこれから描く夢について、吉村社長に語ってもらいました。

継続していくために、挑戦し変化し続ける
理念の共有で、揺るぎない成長を

2000年に広島のマンションの一室で、たった一人で起業したという吉村社長。上場という輝かしいステージへとたどり着くまでの企業を作り上げたものの、もともと起業する意識はなかったといいます。

「高校時代はバブル全盛期。大学を出たらサラリーマンになって、定年まで働くという昭和時代の王道のような考え方が自分の中にありました。しかし大学生の頃バブルが崩壊し『大企業であってもリストラがあるし、倒産もする』という現実を目の当たりにしたとき、サラリーマンになることに疑問を持つように。それをきっかけに、会社員以外の生き方がないのかと模索していました」

経営や起業に興味を持ち始めたものの、当時はインターネットもなく、その情報も少なかった時代。そこで社会勉強とビジネスのネタを探すため、新卒で独立系の通信エンジニアリング会社に入社しました。その会社が新規事業として立ち上げようとしていたのが、モバイル関連事業。入社時は一部の人しか持っていなかった携帯電話を、1年後には社員のほとんどが持っているような状態になったことに着目した吉村社長は「携帯電話にビジネスチャンスがありそうだと直感しました。携帯ショップはどんどん増え、携帯電話を売る人たちは山ほどいましたが、インフラを作る技術者は圧倒的に足りていなかった。そんな需給バランスが悪いときであれば、会社を退職して個人でやっても充分仕事があるだろうと見込みました」と起業への糸口を掴んだのです。 そしてその読みは当たり、事業の可能性に確かな手応えを掴んだ吉村社長は、2000年、フリーランスのエンジニアとして働いて貯めた資金を元手に起業へと舵を切ったのです。

ビジョンとミッションを共有
社長自身が新入社員へ理念研修を行う

広島で起業し、6年目で東京進出。10年目まで社員を増やして組織が急拡大し順風満帆な成長を果たしますが、実はその頃が一番苦労は多かったと、吉村社長は振り返ります。

「2006年初頭は60人くらいだった社員は、2年後には250人くらいに。月20~30人が入社して10人くらいが退職するということを繰り返していました。採用は現場に任せていたのですが『ある程度戦力になりそうなら採用』という具合で、蓋を開けてみると『給料をもらえればベイシスじゃなくてもいい』という集団になっていました」

会社の理念やビジョンへの共感ができていない企業は、売上は伸びるものの雰囲気は最悪。まるで一体感のない組織となってしまったという反省から、まず吉村社長が手がけたのは「理念に共感した人を採用する」という、ごく単純な採用基準の確認と、企業の目指すべき旗印となるミッションとビジョンの再構築でした。

情報通信は社会的な必要性も高く、将来性もあり、より多くの人たちの役に立てる業界であるという想いから「ICTで世の中をもっと便利に」というミッション、自分たちの商品サービスで業界の古い慣習を変え、社会問題の解決やアップデートに貢献できる存在になるという意味を込め「Update The World -変化し、変化させ、必要不可欠な会社に-」というビジョンを策定。社名も創業当時の「サイバーコネクション」から、私たちはどのような企業になりたいのかという想いを込めて「ベイシス」へと社名を変更して、社内外の理念浸透を推進した吉村社長。

「『ベイシス』は直訳すると、基礎や基盤、土台。通信という社会基盤となるインフラを作り、これからもこの事業をやっていくのだという意欲、そしてサービスを提供する中で多くのお客様やステークホルダーから必要とされる企業になりたいという想い、また、インフラのように社会にとって必要不可欠な存在になりたい、私たちが社会の基礎基盤になりたいという意味を込めています」

理念浸透に関する課題はまだ多く、求めるレベルまで浸透していないと吉村社長は自己評価しますが「クレド(行動指針)を浸透させるツールを作って社員に渡したり、社員教育の場で使ったりしながら、ことあるごとに自分自身が発信し、啓発を行っている」といいます。

「毎月1日の新入社員入社時には、私が企業理念に特化した研修を2~3時間行っています。ワークしながら一緒に考え、理念の必要性を理解してもらったうえで、ベイシスの理念を伝えるようにしています。ここ10年くらいの理念研修の結果、会社の雰囲気もよくなっています」と、その効果に自信を深めている様子で吉村社長は語ってくれました。

3度目の挑戦で上場達成
仲間とともに喜び合う醍醐味

2021年に上場を果たしたベイシス株式会社。吉村社長は「法人化した時から漠然と上場には憧れがありました」といい、「私が起業した当時はマザーズやナスダックジャパンなどの新興市場ができたばかりだったので、そのセミナーにはよく通っていました」と振り返ります。

「上場に向けた取り組みは、今回を含めると3度目。1回目は2006年以降の組織が急成長していた時期でした。しかしリーマンショックもあり断念。2回目は2014年でしたが、子会社が赤字となり業績が悪化してしまったので失敗に終わりました。景気の影響を比較的受けにくい業界にあって、十分な売り上げを達成できなったのは、私たちの実力不足。たとえ上場していたとしても、後で苦労することになったでしょうね」

2018年から再び準備を重ね、満を持して臨んだ3度目のチャレンジで見事上場。「創業から全国展開を始めたときの当時のメンバーもまだ50~60人くらい残っています。同じ目的・目標・意志を持った仲間と大きな目標を達成できたことは嬉しかったし、自分一人では成し遂げられない経験だと思っています。チームでやっているからこその楽しさを共有できるのは、経営する中での一つの醍醐味ですね」と感慨深げに語ってくれました。

好きな経営者は、ソフトバンクグループの孫正義さん。変化することを大切にされていて、時には変化しすぎだと感じることもありますが、あそこまで振り切れる積極性はすごい」と話す吉村社長。最後に、事業を継続していくために大切にしていることを聞きました。

「組織が強くあるためには、一人ひとりが『会社が何のために事業をやっているのか、何を目指しているのか、中長期でどのようなことを達成するのか』というところに興味関心をもって、チームの一員として携わりたいと共感しているかが一番大事です。そして継続していくためには、挑戦して変化し続けること。「継続」というと守りに入るイメージがありますが、時代やお客様のニーズに合わせて「変化」し続けなければ生きていけないですからね」

時代の変化を読み取り、自分自身が恐れることなく変化を続け、起業・成長・拡大・そして上場へとステップを駆け上がってきた吉村社長。次代へと企業を継続し続けるために、どんな変化を遂げるのか。今後も注目したい経営者のひとりです。

ベイシス株式会社のホームページはこちらです。ぜひご覧ください。

https://www.basis-corp.jp/

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