時代に左右されない不変の価値とは
現物資産としてのダイヤモンドの魅力
目次
社会情勢に左右されにくい「現物資産」の1つに不動産があります。中でも東京都心の不動産は、交通・生活の利便性、快適な環境といった付加価値が高い希少性を生み出し、これからも安定的な人気を集める投資対象となるでしょう。また最近では、富裕層に人気が高い資産防衛ツールとして、ダイヤモンドが改めて注目されています。趣味としての満足と資産運用における収益変動リスクの抑制の両立を図ることができるアイテムとして、投資に活用されるダイヤモンドの魅力について考えてみました。
資産運用・防衛にすぐれた現物資産
資産運用で活用されるツールとして真っ先に思い浮かぶのは、上場株式、債券、投資信託といった金融商品ではないでしょうか。しかしこれらは、経済や政治の情勢などにより価値が大きく変動することもあることから、「資産防衛」という観点で考えた場合には、高いリターンの一方で、相応のリスクを覚悟しなければいけないという側面もあります。
資産防衛で大切なのは「いつの時代でも人々を魅了する不変の希少性があること」「いざというときに換金がしやすいこと」です。そこで富裕層の間では、金、美術品、クラシックカーなどに加え、これまで趣味の世界で愛好されていた「モノ」への投資が注目されています。「いつの時代でも人々を魅了する不変の希少性がある」という条件に照らし合わせた場合、ダイヤモンドは非常にポテンシャルの高い現物資産であることがお分かりかと思います。
これまで人々の目や心を楽しませる役割を果たしてきたダイヤモンドが、資産防衛や資産運用という違った側面からも注目され始めたということ。株式や債券とは異なる特性を持ち、異なる値動きをする資産であるからこそ、投資リスクを分散する手段として活用できることは、知っておくべきでしょう。
価値の変動を経験したダイヤモンド
「いつの時代でも人々を魅了する不変の希少性がある」という特徴が、投資対象として優れているダイヤモンド。しかしこれまでの歴史上、その価値に大きな影響を及ぼす「事件」が起こったこともあります。
かつて「宝石の頂点」として愛された鉱物、ルビー。ルビーはサファイヤと同じコランダムという鉱物に分類されており、色が美しく赤いものを特別にルビーと呼んでいます。古くから宗教的な儀式の中で、最も神秘的なパワーストーンとして扱われ、ルネッサンスで頂点を極めたメディチ家の記録によると、ルビーの価値はダイヤモンドの10倍以上で評価されていたと記されています。
しかし1919年、ブリリアントカットという、ダイヤモンドをより輝かせる加工法が発明されると、その地位が逆転します。ブリリアントカットされたダイヤモンドに光が入ると、四方に特別な美しい輝きを放ちます。世界で最も硬い鉱物に新たな輝きが加わったことで、「宝石の頂点」はダイヤモンドがルビーに取って代わったのです。
また、ルビーは色の悪い天然の原石でも高温で加熱すれば美しい赤色に姿を変えられることが発見され、加熱したものか非加熱のものか、その当時は鑑定機関でも見分けがつかなくなってしまいました。結果的に、これまで貴重であった美しい赤のルビーの価値は急落。比較的手に入りやすい宝石となってしまいました。人類の叡智を結集して生まれた新たな加工法が、ダイヤモンドの価値を高め、ルビーの価値を下げることになったのは、なんとも皮肉なことです。
「希少性」とともに魅力的なダイヤモンドの「換金性」
ダイヤモンドが資産防衛のためのツールとして注目される背景には、その希少性のほかにも、ダイヤモンドが持つ「現物資産」としての特徴があります。
それは、ダイヤモンドがほかの色石のように希少性によってのみ価値付けされるのでなく、ワインのように細かく分類して価値付けされることにより、数多くのダイヤモンドが通貨のように取引できることにあります。カラーダイヤモンドのように、希少ゆえに高く価値付けされるものもありますが、ダイヤモンドは希少性ではなく、流動性すなわち、換金のしやすさによりその価値の信頼性が担保されているのです。
通貨は汎用性があり、誰でも使える流動性があることで、価値の維持ができています。ダイヤモンドも世界にマーケットがあるドル資産であり、持ち運びが容易な現物資産であり、換金が容易な動産です。どこでも誰もが、容易に交換できるから、資産としてのダイヤモンドの価値があります。さらに魅力的なのは、いつの時代も比較的安定した値がつきやすい商品であるという点です。
これからもダイヤモンドは、人類の貴重な資産として、資産防衛の有効な現物資産として、人類とともに歩んでいくことでしょう。見て、身につけて楽しめる、傷や劣化が少ない、流行り廃りがない、価格帯もさまざま、そして世界中で流通している。これだけでもダイヤモンドは、おそるべき現物資産だということが言えます。
記事監修:Shinwa Auction株式会社