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インフレへ向けた資産防衛策として、希少宝石に注目が集まる

目次

現在、世界の投資家から注目を集めている「希少宝石」。人気の理由には、株や現金に比べて、経済情勢の影響を受けにくく、比較的価格が安定していることがあげられます。

希少性が高い宝石と聞くと、ダイヤモンドをイメージする人が多いと思われますが、じつはダイヤモンド並みに希少性をもつ宝石が、地球上には数多く存在しています。その代表格が「世界三大希少石」と呼ばれる3種類の宝石(アレキサンドライト、パライバトルマリン、パパラチアサファイア)です。ここでは三大希少石について、その特徴を解説します。

世界的にインフレが加速しつつある今、宝石を単なるファッションアイテムとしてではなく、リスクの低い実物資産として捉え直してみるのは、今後の資産防衛に向けた有効な戦略のひとつになるかもしれません。

昼と夜で色を変えるアレキサンドライト

まず、世界三大希少石のなかでもっとも希少性が高いといわれているアレキサンドライトです。アレキサンドライトは1830年、ロシアのウラル山脈で発見されました。この石の最大の特徴は、昼と夜で色が劇的に変化する点にあります。昼間の自然光のもとでは青みがかった緑色に輝き、夜間のローソクのもとでは一転、紫がかった赤色に変化します。こうした印象的な色の変化から、ときに「昼のエメラルド、夜のルビー」と表現されることもあるほどです。

昼と夜で色が変わるという神秘性を持ったアレキサンドライトは、世にも珍しい石として当時のロシア帝国皇帝ニコライⅠ世に献上され、発見された日が皇太子・アレキサンドルⅡ世の誕生日だったことにちなんで、アレキサンドライトと名付けられました。また、アレキサンドライトが見せる緑と赤の2種類の色が、偶然にもロシア帝国軍の軍服(緑ジャケット+赤パンツ)を連想させる色だったこともあり、当時のロシアの人々のあいだでは武運を祈る守護石としても人気を呼ぶようになったと伝えられています。

すでにロシア国内のアレキサンドライトの鉱脈はほぼ枯渇し、現在は主にスリランカやブラジル、東アフリカなどで採掘されたものが市場に流通していますが、流通量が少ないことに加えて、クオリティの高いものが少ないため、希少宝石としての価値はますます高まる一方のようです。

青く発行するように輝くパライバトルマリン

次にご紹介するのは、1987年にブラジルのパライバ州で最初に発見されたパライバトルマリンです。独特のネオンブルーが特徴の石で、1990年、アメリカのアリゾナ州で開催された世界最大規模の宝石見本市「ツーソンミネラルショー」に出品されるやいなや、大きな評判を呼び、ショーが開催期間を終えるころには価格が何十倍にも跳ね上がったという話は、今も世界中の宝石バイヤーたちの語り草になっています。

パライバトルマリンはほかのトルマリンとは違い、銅を含有しているのが特徴で、銅とマンガンの含有バランスによって、ブルー、ネオンブルー、トルコブルー、グリーンブルーなど、さまざまな色が現れます。なかでももっとも人気が高いのがネオンブルーカラーで、石自体が青く発光しているような輝きは、ジュエリーファンならずとも見る者を虜にする不思議な魅力をもっています。

2000年代に入って、アフリカのナイジェリアやモザンビークでも同様のトルマリンが発見されましたが、アフリカ産のものは緑がかったものが多いため、市場ではネオンブルーが多いブラジル産のパライバトルマリンのほうが評価は高くなっています。とはいえ、ブラジルの鉱山はすでにほぼ枯渇状況にあるため、良質な石は年を追うごとに希少、かつ高価になっています。

オレンジとピンクが混ざり合う独特な色合いが魅力のパパラチアサファイア

アレキサンドライトや、パライバトルマリンと比べると人気や知名度はそれほど高くないものの、希少性の高さでは勝るとも劣らないのが、最後にご紹介するパパラチアサファイアです。サファイアと聞くと、深いブルーを想像しがちですが、サファイアは鉱物学上コランダムに属し、コランダムにはブルーのほかにも、オレンジ、ピンク、イエロー、グリーン、パープル、ホワイトなど、さまざまな色が存在します。

コランダムは、ピンクサファイア、イエローサファイアなど、カラーを冠した名前で呼ばれていますが、唯一レッドだけは、レッドサファイアとは呼ばずにルビーと呼ばれます。ルビーと同様に、サファイアのなかで特別な評価を受けているのが、スリランカのみで産出されるオレンジとピンクが混ざり合った独特な色合いが特徴のこのパパラチアサファイアです。パパラチアという言葉はスリランカで使われているシンハラ語で「蓮の花」を意味します。

パパラチアサファイアは、ほかのカラーサファイアと比べて流通量が非常に少ないことから、人気が高く、かつては驚くほどの高値で取引されていました。しかし2000年代に入ると人気に陰りが見えます。これはマダガスカル産のパパラチアサファイアが大量に市場に流通したためです。やがてマダガスカル産のものは、別の色のコランダムに特殊な熱処理を施してパパラチアサファイアの色に近づけたものであることが発覚し、混乱していた市場は落ち着きを取り戻しました。ちなみに現在は、天然石と熱処理を施した加工石を識別することが可能になったため、大手の鑑別機関の鑑別書がついていれば安心して購入できます。

保有することの喜びも価値のひとつ

以上、世界三大希少石について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか。 インフレが進みつつあるこれからの時代、ダイヤモンド以上に希少価値をもった宝石を投資対象のひとつに加えてみるのも、資産を守るという意味では有効な手段のひとつといえます。ただし、希少石を購入する際にはある程度のリスクは覚悟しておく必要があります。

ダイヤモンドの場合は「ラパポート」とよばれる国際基準の価格リストが存在し、随時更新されているため、換金性が高く安心感がありますが、ダイヤモンド以外の希少石の場合は、価格の基準というべきものが存在しません。そのため、需要と供給のバランスによって買い取り価格は大きく変動します。オークションなどで本当にほしがっている人を見つけて直接取引するならまだしも、宝石業者に買い取りを依頼すると、ほとんどの場合、購入価格を下回ってしまう場合も考えられます。

しかし、珍しい宝石を保有するという行為には、ほかの投資にはない満足感や喜びがあります。目先の値上がりを期待するのではなく、長く保有し、子供の世代、さらに次の孫世代へと資産を受け継いでいきたいと考えている人にとっては、希少石も投資の選択肢のひとつとなりえるのではないでしょうか。

記事監修:Shinwa Auction株式会社

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