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経営者インタビュー#12
株式会社ナガセ
最高顧問 長瀬 透 様

目次

創業から75年以上に渡り、金属加工のなかでも特殊な「へら絞り加工」を中心に、エレクトロニクス・電気部品・医療機器・真空機器・農機具・航空機・通信機器・照明器などの部品製造と組立加工を手がけてきた株式会社ナガセ。この技術の  パイオニアとして、これまで長い間業界をリードしてきた経営手法や、創業100年に向けた今後の方向性などを、最高顧問の長瀬透様に伺いました。

お客様の要望にすべて応えるため
足と頭をフル活用してきた企業の歩み

「へら絞り加工」は特殊な技法であることから、熟練した技術の修得を要求される仕事です。そのために不可欠となる社員教育に力を注ぎながら、手法と機械の融合による技術力の向上、さまざまなニーズにフレキシブルに応じる体制の整備、試作から量産まで短期間で納品できる受注生産工場の建設などにより、高い品質と信頼を維持してきました。

創業から75年が経過した現在でもその基本方針は変わることなく「今はまだ100周年へ向かう中間地点」と語るように、長瀬様は企業努力の手を休めることはありません。「目標や目的をもって応対していくことが大切です。常にいろいろなことを考え、自ら行動することが必要になります」といい、現在の安定的な地位を確立するに至った要因 を、次のように 分析します。

「今から35年ほど前、私は全国の東京エレクトロンの工場を回り“これまでの半値で作れます!”というプレゼンテーションを行いました。その結果、今では半導体製造大手上場企業の『へら絞り』のすべてに、当社の技術が採用されるようになったのです。確かな品質と納期の遵守、レスポンスの速さといった当たり前の要素と同時に、フットワーク、ヘッドワークをしっかり行うことを大切にしてきた結果、他社との差別化が図れ、お客様のハートをつかむことができたのだと思います」

長瀬様は「お客様の要望にはすべて応える」という、シンプルでありながらも、実現することが難しい課題に対しても怯まず、足と頭をフル活用して最適解を見出していったのです。

「仕事を頼む側のお客様としては、依頼先が多くなるのはなるべく避けたいものです。できれば1枚の伝票で、まとまった納品物が得られることを望んでいるでしょう。それに対し、ほとんどの同業他社は“できない”と簡単に諦めてしまっていたのですが、私は違いました。“今はできないけれど、何とかします!”と答え、その後に提供できるしくみを作りました」

そんな経験を数多く積んだことで、事業の守備範囲が広くなっていく手応えを感じた長瀬様。それでも時には「魔球」のような要望を投げてくるクライアントもいて、その球を受け止めようにも捕れないことはあったはずです。

「 そのために、すべての球を受け止められる“バックネットを作ろう”と考えました。つまり、ナガセという会社を、『へら絞り』だけではなく、金属加工のデパートに進化させたのです。事業を継続させるためには顧客・時代に応じて、企業を変化・進化していかなければなりません」

徹底した顧客ファーストの追求。お客様のニーズに応え、会社の在るべき姿をフレキシブルにブラッシュアップさせてきた歴史こそが、現在の株式会社ナガセを築き上げた源なのです。

「全員経営」の意識を
社員に浸透させる大切さと難しさ

現在抱えている経営上の課題を聞くと、長瀬様の口からは「人を育てて動かすこと」という回答が返ってきました。

「経営とは、人を募集し、会社に入れ、育て、動かすことです。経営者としては、いかに人が喜んで動く状況を作るかを考えなければなりません。全員が経営者であるという意識を共有し、社員一人ひとりがしっかりとした目標を持って、やり抜くことができるか。それを形にするのが課題だと思っています」

「全員経営」という意識の共有。しかしコロナ禍にある状況では、社員とのコミュニケーションが取りづらいという現実に直面せざるを得ません。以前は社員との「飲みニケーション」の場を設けていましたが、今はそれができないことが悩みのタネだといいます。

「経営者との会話では、社員はどうしても“上から目線の物言い”を感じてしまうものです。以前のように酒の席でというわけにはなかなかいきませんが、社員と同じテーブル・ 同じ目線で、嬉しいことも不満も将来のこともすべてに耳を傾けるようにしています。特に今は最高顧問という組織を見守る存在でもあるので、若い人たちの話をよく聞いて、何か問題があればアドバイスすることを心がけています」

社員との交流を図る際、長瀬様の頭には、常にある例え話が浮かぶそうです。

「二宮尊徳(金次郎)の『たらいの水』の例え話では、水を自分に引き寄せようとすると、向こう側に逃げてしまう。相手にあげようと押すと、自分に返ってくる。つまり、相手に喜んでもらう状況を作ると、それが自分にも返ってくるという『利他の精神』が表現されています。人が喜ぶことを徹底的にやれば、多くの場合“ありがとう”と返ってきます。社員を動かす力も、すべてそこから始まると思います。社員に感謝する気持ちを最初に伝えることで、社員も話を聞く態勢ができます。それが積極的にアイデアを出したり、前向きに仕事に取り組むという行動に発展していくと、私は信じています」

コミュニケーションが取りづらい時代でも
相手に伝える力を大切にする

コミュニケーションの取りづらさという点では、社外との関係も同様です。しかし対クライアントとの対話も、何らかの方法で取り続けなければいけません。

「会える状況なら積極的に会う。それが叶わないのなら  、電話やWEB会議を活用し、常に新しい出会いを求めるようにと社員に伝えています。特に積極的に名刺交換できる展示会には、参加するようにしています」

「攻撃は最大の防御」と、攻めの経営を続けたいと意欲的な長瀬様。「『へら絞り』なんて、ほとんどの人が知らないですから」と笑い、「だからこそまずはこちらを知ってもらう努力を惜しまないことが大切」と力説します。「相手に伝える力こそ、次の時代に勝ち残っていく企業の条件」と強調していました。

長きにわたり企業を牽引してきた長瀬様のバイタリティの背景には、創業者である父の存在があったといいます。

「父はまさに努力の人でした。エジソンは『天才とは、1%のひらめきと99%の努力である』と言っていますが、父は『努力、努力、努力あるのみ。努力はすべてを制し、棚からぼた餅も努力しないと口に入らず』と話してくれました。そんな父の背中を見て育ってきたため、私も努力を惜しまず、常に新しいことに挑戦できたのだと思います」

そんな長瀬様も、現在は代表取締役の座を次代に譲り、最高顧問という立場で力強く会社を支えています。ご子息である現社長に対しては、次のような想いを持ちながら、行く末を託しているそうです。

「私たちはさまざまな試行錯誤の末、ナガセを金属加工のデパートと呼べるまでに成長させました。しかし、これまで以上に事業の規模を広げるには、信頼できるパートナーの存在が重要です。新たなことに挑戦するとき『この指止まれ』と声をかけたらたくさんの企業が近寄ってきてくれるように、しっかりとした信頼関係を構築していくよう、社長には話しています」

最後に、今後の目標について語ってもらいました。

「韓国、中国、インド、ベトナム、タイなどに工場を作り、海外への進出を考えています。機械は当社で作り、自動供給装置や食品関連の工場で現地の人を雇用するお手伝いができればいいですね。もちろん新商品の開発も考えています。ただ新しいものを開発するためには資本が必要ですから、いろいろな道を模索していかなければと思っています」 「利他の精神」をさらに強く打ち出し、世界へと視野を広げる株式会社ナガセ。「金属加工のデパート」として、さらに高みを目指した取り組みが続きます。

株式会社ナガセが手掛けた製品が、新規事業に!

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