ダイヤモンドの基礎知識Part1
ダイヤモンドの価値を決める「4C」とは!?

目次
いつの時代も人々を魅了する宝石、ダイヤモンド。その希少性や美しい輝きにより、ひときわ高価な宝石として認識されていますが、ダイヤモンドは形状などが一つひとつ異なるため、「すべてのダイヤモンド=高価なもの」というわけではありません。
今回は、ダイヤモンドの価格を決めるうえで重要な、「4C」と呼ばれるダイヤモンドの価値基準について紹介します。
価格を決める最大の要素「カラット」
ダイヤモンドの価値を決める要素とは、
- 重さ:カラット(Carat)
- 色:カラー(Color)
- 透明度:クラリティ(Clarity)
- 形:カット(Cut)
の4つとされており、その頭文字をとって「4C」と呼ばれています。
ではこれら4つの要素について、一つずつ解説していきましょう。
まずは「カラット」についてです。
カラットは大きさを表していると思われがちですが、実は重さの単位であり、1カラット=約0.2gと決められています。
同じ1カラットという重さでも、ダイヤモンドの形によっては大きく見えるものもあれば、反対に小さく見えるものもあります。
ダイヤモンドは基本的に、ほかの要素が同じ場合、カラット数の大きい方が評価は高くなります。
つまり、仮に色や形、透明度などが同じものであったら、2カラットのものよりも3カラットの方が価値は高いことになります。
しかもその価格は、大きくなるほど著しく高くなるのです。例えば、1カラットを基準にして計算すると、2カラットのダイヤモンドの重さは2倍なので、価格も2倍になりそうなものですが、実際は約4倍以上になります。3カラットの場合は3倍ではなく、10倍以上になることもあります。10カラットの場合は、なんと100倍になるともいわれています。それだけ大きなダイヤモンドは希少性が高いのです。
2017年、世界的に有名なダイヤモンドジュエラーのグラフ(GRAFF)が、世界最大といわれる原石を、5,300万ドル(約59億円)で購入したことがニュースになりました。その大きさはなんと1,109カラット。テニスボールくらいあるといえば、そのすごさが感じられるかもしれません。
無色透明ほど高価とされる「カラー」
しかしながら、ダイヤモンドの価格は大きさだけでは決まりません。4Cの2つ目「カラー」も大切な要素です。
ダイヤモンドの色はD〜Zまでの23段階に分類されており、Dが最も評価が高く、Zが一番低い評価とされています。
さらにこれら23段階は、大きく5つに分類されます。
- D~F:Colorless(無色)
- G~J:Never Colorless(ほぼ無色)
- K~M:Faint Yellow(わずかな黄色味)
- N~R:Very Light Yellow (非常に薄い黄色)
- S~Z:Light Yellow(薄い黄色)
つまり無色透明のものほど評価は高くなり、同じグループのなかでも、FカラーよりEカラー、EカラーよりDカラーのほうが高価とされます。
ここで、みなさん不思議に思いませんでしたでしょうか?
アルファベットはAから始まるのになぜDから?
これに関しては「DiamondのDから始めた」など様々な説がありますが、より評価の高いダイヤモンドが発見されることを期待してか「現時点でDカラーが一番透明」としておかなければ、将来もっと透明度の高いダイヤモンドが発見されたときに困ってしまう、という説があります。
世の中何が起きるかわかりません。その万が一のために、AからCを残しておかなければ困ったことになるのです。
キズの大きさが透明度を左右する「クラリティ」
3つ目の要素、「クラリティ」は「透明度」を表し、ダイヤモンドの内部および表面の欠点(キズ)の程度によって以下のように分けられます。
- FL(フローレス)…10倍の拡大で内部、表面のキズが見えない
- IF(インターナリーフローレス)…10倍の拡大で内部のキズが見えない
- VVS1・VVS2 (ベリーベリースライトリーインクルーデッド)…10倍の拡大で見えにくい内部の微小のキズ
- VS1・VS2(ベリースライトリーインクルーデッド)…10倍の拡大で発見が多少困難なキズ
- SI1・SI2(スライトリーインクルーデッド)…10倍の拡大で発見が容易なキズ
- I1・I2・I3(インパーフェクト)…肉眼で容易に発見できるキズ
一番上のFL(フローレス)は無傷で、下に行くほどキズが大きくなっていくということです。
価格は当然、キズが少ないほうが高くなります。
フローレスの基準にある「10倍の拡大」というのは、宝石を取り扱う者には必需品である一般的なルーペ(拡大鏡)の倍率です。
実際にルーペで見ると、VVS1やVVS2は内部にある微小のキズで、なかなか見つけることはできません。VS1も困難、VS2で分かりやすい場所にあるとなんとか見える、SI1や SI2 になるとルーペで確実に見えるという具合です。
ダイヤモンドの輝きを引き出す「カット」
最後の「カット」は、ダイヤモンドの輝きを決定づける大きな要素で、全体的な形のバランスを表す「プロポーション」と、表面の研磨状態(ポリッシュ)と対称性(シンメトリー)を表す「フィニッシュ」を総合的に判断したものです。
カットの評価は5段階に分かれます。
- EX(エクセレント)
- VERY GOOD(ベリーグッド)
- GOOD(グッド)
- FAIR(フェア)
- POOR(プア)
EX(エクセレント)はダイヤモンドを最も輝かせることのできるカットです。
その中でも、「カットの総合評価」「ポリッシュ」「シンメトリー」のすべてがEXのものを3EX(トリプルエクセレント)と呼び、最大限にダイヤモンドの輝きを引き出すカットと呼ばれています。
そのあとにVERY GOOD、GOODと続きますが、ダイヤモンドの一番の魅力は、なんといってもキラキラとした輝き。
その美しさを堪能できるのはVERY GOOD以上のカットとされています。FAIRやPOORになると、ダイヤモンドを最大限に輝かせることはできません。
当然EXとPOORでは、価格は大きく変わります。
ダイヤモンドの価値を決める4つの基準「4C」について見てきました。4つのCのそれぞれがいくつかの段階に分かれていることから、ダイヤモンドの価値は非常に幅広く、それだけ奥が深いということが感じられたかと思います。
4Cの中でどの要素を重視するのかは、それぞれの判断によることになります。大きさか、色か、キズか、輝きか…とても悩ましいところですが、それも好みの一品を見つける楽しさの一部になっているのでしょう。
記事監修:Shinwa Auction株式会社
- 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。掲載されている情報は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
- 本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、資産運用・投資・税制等について期待した効果が得られるかについては、各記事の分野の専門家にお問い合わせください。弊社では、何ら責任を負うものではありません。