目次
不動産クラウドファンディングは少額からはじめられる不動産投資として近年注目されています。利回りはどれくらいか、ほかの不動産投資と比べて利益が出るのかなど気になっている人も多いでしょう。
この記事では、不動産クラウドファンディングの平均利回りや案件の見極め方、不動産クラウドファンディングで成功するコツについて解説します。
1.不動産クラウドファンディングの利回りは4~7%
不動産クラウドファンディングの利回りは4~7%です。(※1)
不動産投資の種類 | 平均利回り/年 |
---|---|
不動産クラウドファンディング | 4~7% |
現物不動産投資 | 5~8% |
不動産ソーシャルレンディング | 5~7% |
不動産小口化商品 | 3~4% |
J-REIT | 3~4% |
不動産クラウドファンディングの利回りは、そのほかの不動産投資と比べても大きな差はありませんが、中には10%を超える商品も存在するため、比較的利回りが高いといわれることもあります。
利回りを見るときの注意点として、利回りが「表面利回り」と「実質利回り」の2種類に分けられることを押さえておきましょう。
表面利回りは、満室想定で利回りを計算したものです。リスクや経費は考慮せず、大まかな状態を把握するために使われます。
一方で、実質利回りは管理費や修繕積立金などの経費も考慮して計算します。表面利回りより正確な収益性を算出することが可能です。
基本的に、投資先を選ぶときは実態に近い実質利回りを見ながら検討します。不動産クラウドファンディングの利回りを確認する時は、表面利回りと実質利回りのどちらなのかを必ず確認しましょう。
(※1)参考:一般社団法人 不動産クラウドファンディング協会「不動産クラウドファンディングデータベース」
2.利回りが高すぎる案件はハイリスクの可能性大
不動産クラウドファンディングには10%近い利回りのファンドが存在しますが、相場からかけ離れた高利回りの物件には、リスクが潜んでいる可能性があります。
リスクを抑えて安定的に利益を出したい場合は、高すぎる利回りの物件は避けた方がよいでしょう。
3.不動産クラウドファンディングは利回りよりも安定性が魅力
不動産クラウドファンディングは、短期間で大きく稼ぐ投資手法ではありません。高すぎる利回りを目指さず、安定して利益を得たい方におすすめの方法です。
不動産クラウドファンディングの魅力を、収益の安定性を中心に4つご紹介します。
少額から投資をはじめられる
不動産クラウドファンディングには1万円から始められるサービスもあり、少額から投資できます。
物件管理の手間が発生しない
現物不動産投資であれば、不動産購入後に物件の修繕やメンテナンス、賃貸契約の更新、クレーム対応などの物件管理を投資家自身で行わなければなりません。
一方、不動産クラウドファンディングは物件管理をすべて事業者が行ってくれるため、手間がかかりません。
インターネット上で申し込み、出資、契約を行うだけで、償還日まで定期的に分配金を受け取れます。
リスク回避の仕組みが用意されている
多くの不動産クラウドファンディングでは、元本割れリスクから投資家を守る仕組みが2つ用意されています。
①優先劣後出資
優先劣後出資とは、損失を運営会社の出資金でカバーする仕組みです。一般的に、運営会社も物件に出資するため、損失が出た時にまずは運営会社の出資金から損失額を補てんすることで投資家のリスクを抑えます。
②マスターリース契約
マスターリース契約とは、入居状況に関わらず一定の金額が支払われる契約です。すべてのファンドで設定されているわけではありませんが、この契約がある物件は空室リスクをある程度抑えられます。
分散投資が手軽にできる
不動産クラウドファンディングには数多くの案件があり、少額から出資できるので、分散投資しやすいことがメリットです。複数案件に投資することで元本割れリスクなどを軽減でき、長期目線で見て安定的な収益を確保しやすいといえるでしょう。
4.不動産クラウドファンディングで成功するコツ
不動産クラウドファンディングで成功するためには、利回り以外にもポイント押さえた投資を心がけましょう。
利回りだけを重視して案件を選ばない
繰り返しになりますが、利回りが高い案件の背景にはリスクが隠れている可能性があります。不動産投資の経験が多く、物件の見極めに自信がある方は候補に入れてもいいかもしれませんが、投資初心者は、あまりにも高すぎる利回りの案件は避けた方がよいでしょう。
信頼できる事業者の案件から選ぶ
不動産クラウドファンディングの運営会社は年々増加傾向にありますが、信頼できる会社かどうか必ずチェックしましょう。最終的に物件を売却するので、売却できる能力のある会社かも確認したいポイントのひとつです。
<確認したいポイント>
- 資本金が多い
- 過去に元本割れがない
- 募集案件が豊富
- 案件の情報を詳しく掲載している
劣後出資の割合を確認する
劣後出資の割合(優先劣後出資における運営会社の出資割合)も確認したいポイントです。劣後出資が多いほど投資家の利益は守られます。運営会社やファンドごとに割合は異なるので、比較検討しましょう。
安定重視ならマスターリース契約
空室リスクに備えたい場合は、マスターリース契約を設定しているファンドや案件から選ぶことをおすすめします。空室率に関わらず固定金額が支払われるため、安定的な収益を期待できるでしょう。
分散投資する
複数の案件に分散投資しましょう。ひとつの案件にまとめて投資すると、不動産の価値が大きく下がったときに自分の資産も大きく目減りします。
ファンドや案件を分けるのはもちろん、エリアや物件の種類、運営会社も分散させることでさらなるリスク軽減を期待できます。
5.まとめ
不動産クラウドファンディングの利回りは4~7%です。一部の商品では10%を超えるものもありますが、リスクが潜んでいる可能性があるため、利回りだけを意識して案件を選ばない方がいいでしょう。
不動産クラウドファンディングは、物件管理の手間がかからず、リスク回避の仕組みがあることがメリットです。また、少額から出資できるので分散投資しやすく、安定した収益が期待できます。
不動産クラウドファンディングで成功するためには、信頼できる事業者の案件を選び、劣後出資の割合やマスターリース契約を確認することがポイントです。
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