実需
参入障壁の厳しい業界で
ビジネスモデルを構築
はんこプレミアム株式会社 代表取締役社長
晴海 旭 様
東京都港区に本社を置くはんこプレミアムは、高品質の印鑑を低価格・短納期で提供する通販サイトを運営しています。彫刻作業については、すべて自社内の技術者が彫ることでコストと工期を削減。これらが高品質・スピード納品の実現につながっています。
中国ご出身の晴海旭社長は、プログラマーとして2001年に初めて来日。中国産の低価格印材を輸入する卸売業者として2011年に同社を設立します。しかし、ネット通販ではすでに価格競争が始まっており、格安のはんこショップも登場。しかも、業界の取引慣行が厳格で、新参者の卸売業者は入りにくい状況でした。
「完全に事前の調査不足でした」と晴海社長は述懐しますが、IT分野の知見と持ち前の経営センスをフル稼働して、印鑑業界で成功するためのビジネスモデルを構想。品質とサービスに徹底してこだわれば、エンドユーザーからの直接注文を取り込めると見込んだのです。高品質・低価格を追求するため、彫刻用の機械まで独自開発。創業からわずか10年足らずで「印鑑ネット通販大手」と呼ばれるまでに成長を遂げました。
コロナ禍を契機に新事業を模索
1年足らずで防犯カメラを自社開発・販売へ
コロナ禍により「ハンコ文化」の見直しが進む中、印鑑の需要縮小のおそれもあり、新事業を模索。テレワーク向けの需要を見越して家具やカーテンのEC 事業などに着手しました。中でも防犯カメラ事業ではパートナー工場の協力の下、わずか1年足らずで独自の防犯カメラを開発。高性能・低価格が好評で、すでに一部の飲食チェーンなどから大口注文を獲得しているといいます。
家賃はお金を捨てるようなもの
自社の拠点はほぼすべて保有物件に
「家賃はお金を捨てるようなもの。購入すれば資産として残り、売却すればすぐ現金化できます。ローンを組んで不動産を買うのは、私にとって貯蓄をしている感覚なんです」と、不動産投資に対する持論を語ります。
お知り合いからの紹介がご縁で、新橋にあるボルテックスの区分所有物件をご購入され、こちらに本社を移転しました。「とてもきれいなよい物件なので、会社の顔になってくれるはず」と話します。
これまでネット通販のみを扱ってきましたが、2021年4月にカーテンや家具を扱うリアル店舗を初めて出店しました。「お客さまと直接会うことで、ネットでは得られない生の声が聞けます。それを商品・サービスの改善に生かしたい」と、コロナ禍という逆風の中でも前向きな挑戦を続けていく考えです。
お客様紹介
はんこプレミアム株式会社 代表取締役社長
晴海 旭 様
事業内容
卸売業,小売業 印鑑、防犯カメラ、電子黒板の製造及び販売
- 所在地
- 〒105-0004
東京都港区新橋6-13-12 VORT新橋Ⅱ3F - URL
- https://www.inkans.com/
中国・天津市出身。2001年、プログラマーとして初来日。2008年までホテル予約システムなどの開発に従事する。上海でのコンサルタント業などを経験したのち、2011年9月に同社を設立「家族のような会社をつくりたい」という理念の下、社員を大切にする経営に徹する。趣味は釣り。船舶の免許を持ち、休日は友人たちとボートで海釣りに出かけるという。座右の銘は「一番の賢明さとは、真面目であること」