東京コラム【2】
都市の国際競争力

第9回
分野別ランキング―東京と主要都市の比較・分析［4/6］

　次に「総労働時間」。
やはり東京で働く時間は長くて、総じてアジア主要都市では労働時間が多くなっています。このランキングは働き過ぎると良くないというランキングですから、ヨーロッパの都市に比べるとアジアの都市は評価が良くないわけです。

　それから「賃貸住宅平均賃料」です。
これについては、東京だけが高いと考えていたら間違えで、ニューヨークもロンドンも都心は非常に高いです。香港も高い。だいたい香港の中心部で東京都心の2～3倍の価格ですから。
データを見れば、ニューヨークは東京の2倍、シンガポールは2倍以上、香港も2倍以上。
ですから実は東京は相対的に安いということになります。

「物価水準」。これはどこの都市でも似たような状況になっています。

　「社会の自由度・公正さ・平等さ」。
今回からこのなかのデータに“女性の社会進出”を加味したため、東京のランクが下がってしまいました。
これはさらに他の要素について良いということではなく、全体的に見てもトップ4のなかで東京は一番低くなっています。

　それから「メンタルヘルス水準」です。
これは、“人口当たりの医師数”で測ります。東京は決して悪くはなく、平均的です。なお、ニューヨークの方が数値は良くなっています。

　それから「人口あたりの医師数」。
なぜかパリには医者が異常に多いのです。この理由は分かりませんが、東京の倍くらいの数があります。さすがにこれはミステリーです。

それから「ICT環境の充実度」ですが、これはインターネットの使いやすさなどになります。
これはみな世界的に上がってきているので差が付きません。

　「小売店舗の充実度」。これについて東京は世界トップです。
これは毎回いつもそうですが、東京のレベルは世界的に見て非常に高いことが分かります。

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