東京コラム【2】
都市の国際競争力

第12回
東京・大阪・福岡～それぞれの強み・弱みとは？

　「世界の都市総合力ランキング」（GPCI、Global Power City Index）には、日本の都市として東京以外に大阪と福岡の2都市が入っています。
福岡は非常にユニークな都市で、日本の3大都市といえば普通は東京・名古屋・大阪ですが、福岡という都市は戦後から飛躍的に伸びている都市であって、これからも伸びるということを予感していましたので、本ランキングには福岡を入れています。
それでは、東京・大阪・福岡についてその特徴を見ていきましょう。

　東京の強みは、6大指標グループのなかで1位のものはありませんが、全体的な「総合力」で世界のトップ3都市になっていることでしょう。
それなりに力がある、これが東京です。

　それでは大阪はどうなのでしょうか。
大阪は2016年から2017年において、22位から26位まで順位を落としています。
実はあまり大阪が上がるという話は聞きませんが、しかしランキングで見れば大阪の順位は決して悪くありません。
また、世界で大阪の回りにランキングされている都市に目を移せば、ブリュッセルとかサンフランシスコなどに近いわけで、大阪の力が弱まっていると言われながらも、世界的に見れば結構な都市であることが分かります。

　大阪をチャートで見てみましょう。
「研究・開発」、「居住」は一般的ですが、「経済」、「交通・アクセス」、「環境」「文化・交流」などは低いことが分かります。
ですから大阪の抱える問題は簡単には解決されない可能性があり、もしかすると順位はそう簡単には上がらないかもしれません。しかしその一方で、ランキング上は20数番にいるわけですから、やはり相応な都市ではあります。

　それでは福岡はどうかと言いますと、順位はほとんど横ばいです。
正確に言えば、2016年から2017年にかけて、36位から37位に若干順位を落としています。

　チャートで見ると、「環境」、「居住」は非常に良くて、「経済」はまあまあで、「文化・交流」が非常に弱くなっています。
このあたりは、「文化・交流」は何となく福岡でしたらもう少し伸びそうな予感がするのに加えて、「交通・アクセス」のところで、いま福岡空港では滑走路をもう1本造っています。
ただし残念なことに、既存の滑走路と近すぎて同時に飛べないという懸念はありますが、それでも若干2割程度は増えるでしょう。このあたりの弱点は少し克服できる感じが見えてきていますから、福岡はもう少し上がる予感がします。
福岡の今後については少し期待値があるということになります。

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