『VORTのある街』
~VORT新小岩編~

Ⅰ. エリア紹介

ルミエール商店街 2018.10.22撮影

ルミエール商店街 2018.10.22撮影

映画作品や人気マンガの舞台として有名な葛飾区ですが、その南端、江戸川区と接する位置に「新小岩」はあります。その範囲は、行政区分によればJR総武線「新小岩」駅の南側の新小岩1丁目から4丁目ですが、一般的には駅を中核として北側にある「東新小岩」や「西新小岩」なども含めた生活エリア全体を指します。

商店街のアーケードは区界で変化する。

商店街のアーケードは区界で変化する。

新小岩の魅力のひとつが、駅南口のロータリーに面する『新小岩ルミエール商店街』です。全長約420mの商店街には、140軒ほどの店舗が新旧問わず入り混じり、平日で約2万5000人、土日は約3万人もの人出があります。本商店街は、新小岩銀座商店街振興組合(葛飾区新小岩)と新小岩ドリームウェイ商店街振興組合(江戸川区松島)の2商店街から構成され、アーケードや外灯、カラー舗装のほか、2002年には周囲の他の商店街に先駆けて監視カメラを設置するなどハード面はもちろん、約10名の青年部が中心になってシーズンに合わせて各種イベントを実施するなど、ソフト面も重視されています。


よしむねさま&こまつなっち ©新小岩ドリームウェイ商店街振興組合

よしむねさま&こまつなっち
©新小岩ドリームウェイ商店街振興組合

復興支援を目的として毎年4月に開催される“新小岩さくらまつり”や、夏の風物詩である7月“サマーチャンスセール”、2017年から始まった10月“ルミエール収穫祭”、年の瀬のメインイベントである12月“クリスマスチャンスセール”、新春の餅つき大会で人気の1月“新春蔵開きセール”などが行われ、また11月~2月の間には“ルミエール・イルミネーション”が心温まる優しい灯りで商店街を照らします。どのイベントも大変賑わいを見せますが、そこに登場するのが新小岩ルミエール商店街の公認キャラクター「よしむねさま」と「こまつなっち」。実は、地域特産の「小松菜」の名付け親は徳川吉宗といわれています(後述参照)。


葛飾区立 新小岩公園 2018.10.22撮影

葛飾区立 新小岩公園 2018.10.22撮影

新小岩駅北口から徒歩6分、西新小岩1 丁目の線路沿いには区立『新小岩公園』があります。昭和60(1985)年の開園で、芝生公園、スポーツ広場、バスケットコート、じゃぶじゃぶ池などの施設や軽食や会食のできる「和楽亭」があり、約600mの外周園路ではウォーキングやジョギングをする利用者が多く見られます。お花見スポットとしても有名な本公園の敷地面積は、実に47,484.68㎡。駐車場も11台分あり、誰でもトイレやAEDも設置されています。

駅近な本公園は各種イベントの開催地となっており、平成2(1990)年から毎年5月、JR新小岩駅を挟んだ南北の地域住民の連帯意識を深めようと『新小岩地域ふれあいまつり』が開催されています。また毎年11月には、葛飾区の「食文化」の情報発信を通じて区内商店街の活性化と新たな観光資源の創出を目指し、葛飾区と葛飾区商店街連合会、葛飾区食品衛生協会、葛飾区観光協会、東京商工会議所葛飾支部の協働で実施する、葛飾区史上最大のグルメイベント『かつしかフードフェスタ』が開催されています。葛飾区史上最大のグルメイベントである本フェスタは、「Re-visit(リビジット)」をテーマに、葛飾区内外から訪れた来場者が、イベント終了後に各店舗やその地域を再度訪問し、地域での経済効果を生み出すことを狙いとしており、5回目となる今年は47店舗が出展、過去最多の7万5千人の来場者となりました(2日間)。

平井大橋から中川を望む 2018.10.22撮影

平井大橋から中川を望む 2018.10.22撮影

荒川の河口から6.0km付近の左岸に位置する本公園は、都道315号(蔵前橋通り:平井大橋)に隣接し、葛飾区都市計画マスタープランにおいて「高台化による避難場所」に位置付けられ、その盛土量は約220,000㎥(締固土量)になります。また隣接する中川左岸堤防においては、東京都による緩傾斜型堤防整備事業が予定され、公園閉鎖期間中は、葛飾あらかわ水辺公園(荒川)に野球場及びゲートボール場を整備するとともに避難場所代替地が確保されます。

Ⅱ. 周辺の歴史を辿る

昭和20年ごろの新小岩駅 葛飾区郷土と天文の博物館 所蔵(提供)

昭和20年ごろの新小岩駅 葛飾区郷土と天文の博物館 所蔵(提供)

新小岩(葛飾区)の地名は、総武線の駅名が住居表示として採用されたものです。明治32(1899)年に先行して開業した総武線小岩駅との関係から、大正15(1926)年に設けられた新小岩信号所(同年新小岩操車場に改名)を、昭和3(1928)年に駅へと昇格して新小岩駅が誕生します。小岩の地名は、養老5(721)年の『下総国葛飾郡大島郷戸籍』(正倉院文書)にみえる「甲和里」に比定され、「甲和」は現在の「小岩」、一方の「里」は大島郷にみえる「郷」の下に置かれた行政区で、当時454人が住んでいたという記述があります。昭和27(1952)年には江戸川右岸の微高地に『上小岩遺跡』が発見され、奈良時代の土師器や須恵器などが採集されています。新小岩駅の開業時、その周辺は小松(上小松・下小松)と呼ばれており、「下総小松」という駅名案も有力だったそうです。下総と冠したのは、すでに石川県にあった小松という駅の存在と、隅田川以東を下総国と考える風潮が相俟ったものと考えられています。

新小岩厄除 香取神社 2018.10.22撮影

新小岩厄除 香取神社 2018.10.22撮影

江戸時代後期の文政13(1830)年、昌平坂学問所地誌調所が編纂した『新編武蔵風土記稿』によると、下小松村の家数はわずか70軒程しかない集落でした。現在の葛飾区と江戸川区の境になっている「境川親水公園」付近に家が集まり、農業を営んでいたと伝えられています。伝説によれば、享保4(1719)年に将軍徳川吉宗が鷹狩にて「香取神社」(江戸川区中央4丁目 旧西小松川村)に立ち寄った際、神主亀井和泉が特に差し上げる物も無かったため、餅の澄まし汁に青菜を少々彩りにあしらって差し出すと、吉宗はたいそう喜び「この汁の菜を何と申すか」と尋ねたそうです。菜には名が無く、返事に窮した神主に「それではここは小松川だから小松菜と呼べ」と命名したとのことです(小松菜の由来)。「東京都農作物生産状況調査」によれば、江戸川区の小松菜収穫量(平成28年産)は2,854トンで、東京都全体の小松菜収穫量(7,219トン)の約39.5%を占めており、都内一の収穫量を誇っています。原産地の面目躍如といったところでしょうか。


平井工場 大同製鋼50年史より

平井工場 大同製鋼50年史より

今でこそ一日平均の乗車客数が7万6500人(2017年)を超える新小岩駅ですが、開業当時ほとんど乗降客は無く、南口しかありませんでした。駅北側の一角は大正時代まで「六万坪」と呼ばれる湿地帯で、歴史的には中平井村の共有地でした。この地に生えるヨシは屋根材として利用され、民家の屋根の大半が茅葺であった頃は非常に重要な土地でしたが、生活様式の変化と共に次第に荒廃します。その後この一帯には、昭和13(1938)年に那須アルミニューム器具製造所(後の日軽アルミ、新日軽、現LIXIL)が転入し、また理研鋼材平井工場(後の大同製鋼、現大同特殊鋼)が建設されるなど、一大工場地帯となりました。その6年後の昭和19(1944)年に、通勤の便を考慮して新たに北口が設けられることになります。これらの工場跡地は現在、区立松上小学校や区立新小岩公園、都営西新小岩一丁目アパートなどになっています。

Ⅲ. 周辺の開発状況 (新小岩駅)

「VORT外苑前Ⅲ」の周辺地図。周辺では多くの開発が進んでいる。 弊社作成

© 2018 ZENRIN CO., LTD.(Z18LD第1982号)
「VORT新小岩」の周辺地図。新小岩駅周辺では5つの街づくり計画が進んでいる。 弊社作成 

新小岩南・北地域まちづくり協議会は、2011年7月に策定した「新小岩地域まちづくり基本構想」を実現するため、概ね10年間の街づくりの目標となる「新小岩駅周辺地区街づくり基本計画」を2014年11月に策定しています。この基本計画は、新小岩駅周辺地区の均衡ある発展を指向し、広域複合拠点を形成する新小岩駅周辺地区全体としての街づくりの大きな方向性を示す包括的な計画で、今後、概ね10年間の具体的な取り組みを行う際の指針として活用されています。またこの基本計画の策定に先立ち、2014年2月には、駅周辺の5地区(新小岩駅北側地区、同東北地区、同東南地区、同南口地区、新小岩一丁目西部地区)の各部会、検討会等が、具体的な整備範囲や内容をまとめた「地区別街づくり計画」が策定されています。

2018年6月24日暫定開通した南北自由通路 2018.10.22撮影

2018年6月24日暫定開通した南北自由通路 2018.10.22撮影

JR新小岩駅では、2018年6月24日より南北自由通路の一部使用が開始されエリアの回遊性が向上し、今後もホームドアの使用開始や駅前広場のバリアフリー化などの整備が予定され、駅周辺の環境や人の流れが大きく変わっていく見通しです。これに対応して、駅の南北双方でまちづくりの検討が急ピッチで進んでいます。現在、駅の南口、北口では共に権利者らが勉強会や協議会を組織して、街づくりの方向性を検討したり、再開発の視察などを実施しています。南口では既に個別意向調査を実施し、準備組合の設立を目指しており、また一方、北口では民間事業者にヒアリングをしたほか、今後は個別地権者訪問などによる意向調査が検討されています。


新小岩駅南口地区街づくり計画 平成26年2月

新小岩駅南口地区街づくり計画 平成26年2月

南口の検討組織は、2014年5月21日に設立され、権利者の約8割が参加する「新小岩駅南口地区再開発推進協議会」。新小岩一丁目46番街区・48番街区と南口駅前広場を含む約1.5haを対象に、再開発事業の実現を目指しています。2018年度も引き続き準備組合の設立を目指して活動しており、関連して区が4月26日、「新小岩駅南口地区街づくり事業化支援業務委託」を指名競争入札した結果、367万2,000円(税込)の日本設計に決定しました。予定価格は381万2400円(税込)。指名5者のうちタカハ都市科学研究所、アール・アイ・エー、佐藤総合計画、落札者の計4者が応札しました。なお2017年度までの支援業務も日本設計が担当しています。


新小岩駅北側地区街づくり計画 平成26年2月

新小岩駅北側地区街づくり計画 平成26年2月

一方、北口の検討組織は「新小岩駅北口地区街づくり勉強会」。西新小岩一丁目2番~10番の約4.0haを対象とし、再開発事業や地区計画の活用などを検討しています。これまで、模型を使ったケーススタディーや再開発施設の視察などに加え、勉強会の業務支援を担うURリンケージが民間事業者にヒアリングなどを実施しました。今後は、個別地権者訪問などによる意向調査を実施し、その調査結果を踏まえながら検討を進めていく予定です。

Ⅳ. 周辺の開発を探る (平井駅)
「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」

新しくなったJR平井駅北口の様子。 2018.10.22撮影

新しくなったJR平井駅北口の様子。 2018.10.22撮影

平井周辺は、明治期より旧中川に面した地区において工場が進出し、江戸川区最初の駅として明治32 (1899)年4月に開業した総武線「平井」駅を中心に商店街や住宅地が発展を遂げてきましたが、商業環境の更新が進まず、また道路基盤の未整備や木造市街地の存在など防災上の課題も指摘されています。現在、平井駅付近に都市機能を集約し、歴史ある商店街との繋がりを持つ駅前商業市街地を形成する再開発事業等を踏まえた街づくりが、「平井駅付近地区まちづくり基本方針(平成29年3月)」に沿って進められています。


平井五丁目の様子。 2018.10.22撮影

平井五丁目の様子。 2018.10.22撮影

その先導的プロジェクトの役割として、防災拠点の整備、良好な都市型住宅の供給、歩道状空地の整備、地域拠点としての顔づくりを担う『平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業』が2017年9月21日に都市計画決定され、2018年6月11日には施行地区(約0.7ha)が公告されました。平井五丁目駅前地区市街地再開発準備組合は、平井駅前に地上31階、地下1階、高さ110m、延べ面積約44,100㎡の複合ビルの整備を計画。低層部に店舗、中高層部に住宅(約370戸)を配置します。権利者は149者で、事業協力者は野村不動産と前田建設工業です。準備組合員により本組合設立の認可申請をすることについて賛成多数で承認、2018年8月31日、正式に江戸川区長を経由して東京都知事宛に本組合設立の認可申請を行いました。2018年11月の本組合設立認可、2020年度の権利変換計画認可を経て既存建物の解体工事に着手。2023年の完成を目指しています。


平井駅 改札外コンコースの様子。2018.10.22撮影

平井駅 改札外コンコースの様子。2018.10.22撮影

これに先立ち、JR東日本グループは、2016 年4 月より平井駅のリニューアル工事に着手。トイレの段差解消や耐震補強、駅全体の美化を推進、2018年3月20日にJR平井駅改札外に商業エリア『シャポーロコ平井』が開業しました。『シャポーロコ平井』の開発コンセプトは「ちょっとうれしい、人・街つなぐいつもの通い道」。平井の南北の商店街をつなぐ街の中心にある平井駅の2エリア(「コンコースエリア」、「駅ビルエリア」)に、合計9店舗が出店しています。loco(ロコ)とはローカル(local=地元)を意味し、地元の方々により一層愛着を持って頂きたいという思いが込められているそうです。

Ⅴ.周辺の開発を探る(小岩駅)
「南小岩七丁目西地区第一種市街地再開発事業」 (平成27年11月10日事業終了認可)
「JR小岩駅北口地区市街地再開発事業」
「南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業」
「南小岩七丁目地区第一種市街地再開発事業」

JR小岩駅 南口ロータリーの様子。バス通りでもある。2018.10.22撮影

JR小岩駅 南口ロータリーの様子。バス通りでもある。2018.10.22撮影

JR小岩駅周辺地区まちづくり基本計画2014より抜粋

JR小岩駅周辺地区まちづくり基本計画2014より抜粋

1899(明治32)年5月に総武鉄道の駅として開業し、百余年の歴史を刻んできたJR小岩駅。昭和初期より江戸川区の中心として賑わいと繁栄を誇りましたが、1991年600億円超だった駅周辺地区の年間小売販売額は2007年には300億円まで減少。商業の衰退や、道幅の狭さ、駅前広場の不足、老朽化した木造建物の密集などインフラの課題も少なくはありませんでした。これらを解消し、“商業のまち”の復興に向け、小岩駅周辺21.6haの大規模なまちづくり計画が2007年に始まっています。(「JR小岩駅周辺地区まちづくり基本構想」)


「アルファグランデ小岩スカイファースト」 2018.10.22撮影

「アルファグランデ小岩スカイファースト」 2018.10.22撮影

現在、「北口地区」、「南小岩六丁目地区」、「南小岩七丁目地区」など事業ごと5地区に分けられた段階的な街づくり計画が進行しており、すべての完成予定は2028年です。一足先2015年に完了した「南小岩七丁目西地区(市街地再開発事業/名称:アルファグランデ小岩スカイファースト)」を筆頭に、特に小岩駅北口と南口にある上記3地区では、100年先を見据えた街の更新が進んでいます。『アルファグランデ小岩スカイファースト』は、スターツコーポレーションと首都圏不燃建築公社が東京都江戸川区南小岩7丁目に建設した地上29階・塔屋1階・地下2階、高さ99.9m(最高部高さ105.2m)、延べ床面積32,112.82㎡、総戸数177戸(地権者住戸12戸を含む)のタワーマンションで、地下2階から地上5階まで店舗や駐車場を併設。設計はアール・アイ・エー、施行は大成建設とスターツCAM。2015年3月23日に竣工し、同年6月10日には「サミットストア小岩駅南口店」がオープンしています。


完成イメージ図 江戸川区ホームページより

完成イメージ図 江戸川区ホームページより

「北口地区」では、2018年8月、JR小岩駅北口地区市街地再開発準備組合が計画する同再開発事業が江戸川区により都市計画決定され、準備組合は2019年度の本組合移行を目指して設計者選定作業に着手しました。再開発施設の規模は、約9万7800㎡。既存施設を解体のうえ、2021年度に本体着工し、2026年度の完成を予定しています。再開発施設は、地上29階・地下2階建て、高さ約110mを想定。4階まで商業・オフィスフロアで、その上に25階約600戸の住宅棟と4階建てのオフィス棟の計2棟を建設し、駅前にあるイトーヨーカドーが入居する予定です。三井不動産レジデンシャルと新日鉄興和不動産が事業協力者として参画します。再開発の施行区域は、西小岩1丁目の約2haで、JR総武線小岩駅と蔵前橋通りに囲まれたエリア。既に都市計画決定している約6100㎡の「北口交通広場」と、道路幅員を現在の9mから18mに拡幅する「北口通り」と一体整備することで、北口駅前エリアの顔となる拠点街区を形成します。


完成イメージ図 東京都都市整備局ホームページより

完成イメージ図 東京都都市整備局ホームページより

「南小岩六丁目地区」では、2018年3月、南小岩六丁目地区市街地再開発組(江戸川区)が権利変換計画を推進するため、特定業務代行者の追加募集手続きを行いました。事業区域はJR小岩駅南側の南小岩6丁目・7丁目一部(区域面積約1.3ha)で、3街区に分けて再開発ビルの整備を進め、総事業費は約506億円の見込み。計画によれば、駅寄りの「Ⅰ街区」(敷地面積1040㎡)にS一部RC造 10階・塔屋2階建て、延べ7122㎡の商業施設を整備。中央の「Ⅱ街区」(同2900㎡)にRC・S造 地上22階・地下1階建て、延べ2万8979㎡の住宅・業務・商業施設を建設します。区域南側の「Ⅲ街区」(同5010㎡)では同地上33階・地下1階・塔屋2階建て、延べ5万3098㎡の住宅・商業・公共駐輪施設を計画。Ⅱ、Ⅲ両街区の間には延長99m、幅員12mの道路も新設します。今年12月の権利変換計画認可を経て、2019年1月の解体工事着工、同年3月の本体工事着工、2025年度の工事完了を目指します。組合には参加組合員として野村不動産、タカラレーベン、清水建設の3社、特定業務代行者として清水建設・野村不動産・タカラレーベンがそれぞれ参画。事業コンサタントはタカハ都市科学研究所が担当しています。

JR小岩駅南側エリアの再開発施行地区  弊社作成

JR小岩駅南側エリアの再開発施行地区  弊社作成

完成イメージ図 江戸川区ホームページより

完成イメージ図 江戸川区ホームページより

「南小岩七丁目地区」の再開発計画地は、南小岩7丁目の一部(区域面積約1.5ha)。再開発ビルはRC造 地上25階・地下3階建て、延べ約12万3000㎡の規模を想定。高さは約100m。地下1階から地上3階までを商業施設、4階を屋上庭園や住宅エントランス、上層階を住宅(約350戸)と文化・教育施設などの非商業施設とします。準備組合は2019年度の都市計画決定、2020年度の本組合設立認可、2022年度の権利変換計画認可を目指します。再開発地区を含む約4.9haの区域では、江戸川区施行で土地区画整理事業を一体的に行うことが計画されています。同事業は2015年12月に都市計画決定されており、駅前広場や周辺道路(リングロード)、公共施設の整備を実施していく予定です。地元では、これまでに形にならなかった動きも含め、今回の一連の再開発を「3度目の挑戦」と呼びます。2028年には、3地区ほか全ての再開発が完了する予定。小岩駅前は新たな装いで再スタートを切り始めています。

Ⅵ.「VORT新小岩」について

「VORT新小岩」について

本物件は1991年11月竣工、JR中央・総武線・総武線快速「新小岩」駅から徒歩1分、駅前ロータリーに面する、商業・店舗ビルになります。ガラス張りのファザードは周辺のビルと比してひと際目立ち、地下1階付7階建ての建物は駅ホームからも眺めることができるなど、その視認性は折り紙付きです。
JR東日本エリア内の1日平均の乗車人員『各駅の乗車人員2017年度ベスト100 』によると、「新小岩」駅は60位(76,565人)にランクインしており、その前後を見れば、59位「巣鴨」(77,285人)、62位「原宿」(74,353人)、65位「代々木」(69,935人)、66位「御徒町」(68,750人)など、「山手線」沿線の著名な駅に肩を並べています。また2002年1月~2018年8月の約16年間において、東京都内ロータリー沿いの物件の売買取引数は、品川区6件、渋谷区5件、新宿区4件などその数が極めて少なく、累計わずか20件程度に過ぎません(弊社調べ)。
これら事実に鑑みれば、新小岩駅は都内で著名な繁華街の駅と比較しても決して引けを取らず、本物件は希少性の高い「駅前商業ビル」として、そのポテンシャルを大いに秘めていると言えるのではないでしょうか。

VORT新小岩(仮称)物件概要
VORT新小岩(仮称)物件概要

VORT新小岩(仮称)物件概要

100年企業戦略研究所の調べによれば、「新小岩」の現在の地価は、地価公示価格の平均が45万7900円/m2(2018年[平成30年])、坪単価は151万3719円/坪であり、前年比+3.7%の上昇です。地価調査価格(基準地価)の平均が51万4000円/m2(2018年[平成30年])、坪単価は169万9173円/坪であり、前年比+6.4%の上昇です。
なお「新小岩」の地価平均を求めるにあたり、葛飾区新小岩1~4丁目、同東新小岩1~8丁目、同西新小岩1~5丁目の基準点の地価から計算しています。

公示地価・基準地価の推移(1998年~2018年) 弊社作成

公示地価・基準地価の推移(1998年~2018年) 弊社作成

本物件の屋上から西側を望む。東京スカイツリーが見える。 2018.10.22撮影

本物件の屋上から西側を望む。東京スカイツリーが見える。 2018.10.22撮影